ちいきん会特設コーナー

 (取材・構成 プレジデント社地方創生プロジェクトチーム) 

地方初開催となる「第3回 ちいきん会in福島」を記念した特別コンテンツです。

ちいきん会 in 福島 当日詳細情報

~同じ地域で熱い思いをもつ仲間をみつけよう!(上)~

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マルチな才能を生かして地域起こしを

「最初の登壇者はこの方、金融庁の遠藤長官です。どうぞ」との声に促され、金融庁の遠藤俊英長官が、会場右手のドアから姿を見せる。
 続いて、地元福島県の東邦銀行・北村清士頭取、福島県庁企画調整部の橘清司政策監、百十四銀行営業戦略部・地域創生課の香西志帆氏のパネリストたちが、テレビ朝日「朝まで生テレビ」の音楽とともに次々と登壇。最後にモデレーターを務める金融庁監督局総務課・地域課題解決支援室の日下智晴室長が壇上に。
 「今日はこれだけのメンバーにお集まりいただいたので、刺激の多いセッションにしていきたいと思います」との日下氏のコメントで、ディスカッションの幕が上がった。



fukushima3_05.jpg 香西志帆氏
百十四銀行 営業戦略部 地域創生課

 トップバッターに指名されたのは、香川県高松市に本店を置く百十四銀行の香西氏。そのマルチなタレントぶりを語り始めた。
香西:私は銀行員で映画監督、脚本家や地域のブランディングなど、さまざまなことをしています。経営学者のドラッカーが提唱した、パラレルキャリアという考えがあります。本業を持ちながら別のキャリアを築くことです。
 私は地元の新聞社の試験に落ちて迷っていたとき、百十四銀行のリクルーターの方から、うちの銀行に広報誌があるよと声をかけていただいたことがきっかけで入行。3年間の営業店勤務を経て、広報誌の担当になった後は、企画から撮影、イラストなど、すべてを私一人で、命がけで広報誌をつくりました。その広報誌は全国社内報企画コンペティションで、2回続けて金賞をいただき、そのときに培った全体のスキルが、いまに生きていると思います。
 それから庶務、会計などの部署に異動になりましたが、そこで販売促進などの資格を取り、経営コンサルタントの勉強もしました。長く無償で商品企画や店舗のデザインなど、さまざまなお手伝いをしてきたのですが、2年ほど前からは有償でアドバイザーをしております。
 自治体との関係でいえば、町起こしの一環として高松市や、さぬき市のPR用映画の監督・制作もしています。香川県南西部に弘法大師が修築した日本最大のため池「満濃池」で知られるまんのう町があります。この町のPRムービーもつくりました。そうした映画で必要なことは絶景と食。この町はひまわり畑で有名です。
 絶景はあるので、あとは食がポイント。上質な食用オイルが、まわりの種からできるのですが、認知度も低く、売れ行きは伸び悩んでいました。そこで町の職員と一緒に品質改良に取り組み、ボトル、ラベル、パッケージのデザインを一新して、2018年にリニューアルした「まんのうひまわりオイル」として発売。今年の優良ふるさと食品中央コンクールで、香川県産としては初めて農林水産大臣賞をいただきました。
 私はいま妊娠中なのですが、親子で飲みやすい甘酒を開発しています。これまでを振り返って思うことは、やはり地方には人が少ない。だからこそ、働きながら好きなことを磨いて、二つ三つと肩書きを持つことが大切というメッセージを伝えています。