ちいきん会特設コーナー

 (取材・構成 プレジデント社地方創生プロジェクトチーム) 

地方初開催となる「第3回 ちいきん会in福島」を記念した特別コンテンツです。

ちいきん会 in 福島 開催記念座談会

~心ある個人の交流から 真の地方創生は始まる~

菅野大志氏

■菅野大志氏
 金融庁 総合政策局 総合政策課
 地域課題解決支援チーム代表

「ちいきん会」が果たす役割

新田:人・モノ・金・情報が経営資源と言われますが、地域金融機関はそれらの仲介機関だと思っています。地域を越えて行わないと地方創生はうまくいかない。それに気づいている地方は、いま元気ですよ。

:地域金融機関、たとえば信用組合は中小企業等協同組合法などの法律で、活動が地域に限定されています。だからこそ、地域との密着度が高いと言えますよね。

新田:ええ、第一勧業信用組合の組合員である出資者は地域の4万5000人の小規模事業者や個人です。業務連携契約を結んでいる信用組合と当組合をあわせていま30ありますが、その組合員を合わせると約82万人に上ります。行政も経済も大切ですが、それだけでは社会は良くならない。そもそも信用組合は非営利事業法人であり、経済の側ではなく、社会の側に立っています。行政がいいことを発案しても実務を回す手足が必要。地域金融機関の職員は実務を回すことに長けています。行政、経済、社会が三位一体となって初めて地方を支えることができ、そうした姿を目指しています。だからこそ「ちいきん会」で、行政と私たち社会の側がつながったことの意味は大きい。

脇雅昭氏 ■脇雅昭氏
 神奈川県 政策局 知事室 政策調整担当部長
      政策局 未来創生担当部長

菅野:このような活動を始めたのは、赴任していた東北。そこで行政と地域金融機関との連携を図っていました。必要な情報が必要なところに回ればうまくいく。金融機関と自治体が同じ方向で連携することが可能だと分かりました。

 いま「ちいきん会」で志を同じくする人同士が出会った後のセカンドアクションが各地で起きています。熊本県では起業に興味のある人を誘致して応援しようという取り組みが始まり、金融機関の人も含めて平日の夜に活動している。ふわふわの創業のアイデアを持った人を、先輩起業家が応援して盛り立てようとする動きも進んでいるのです。それに対して県も予算化を考えてくれたり、有志の活動が県の企画提案機能のような様相を呈しています。
:関係が信頼で成り立っていて、それぞれが無理をしていない。今までやってきたことを、うまく組み合わせ、新たな価値のシナジーを生んでいるとことがすごい。