ちいきん会特設コーナー
(取材・構成 プレジデント社地方創生プロジェクトチーム)
地方初開催となる「第3回 ちいきん会in福島」を記念した特別コンテンツです。
ちいきん会 in 福島 当日詳細情報
~同じ地域で熱い思いをもつ仲間をみつけよう!(下)~
交流会、果てることのない談笑の渦
サークルセッションも終わり、乾杯の後は、会場を自由に移動して意見を交換できる交流会に移った。会場内で、テーマピッチの登壇者にピッチの続き、会の感想などを聞いた。
伊藤:いま副業は社会的関心も高まり、いわば波が来ています。「YOSOMON!」は正社員とアルバイトの中間的存在。第三者の視点で物事を判断でき、いわば課題解決の伴走者です。一人にかかる費用も月に3万円から5万円程度。契約期間も限定できるので、事業者にとってのリスクは小さい。この取り組みを始めて2年。登録会員数は700人を超え、その93%が地方への貢献を望んでいます。年齢的には30代から40代が中心で、これまで40件の成約がありました。「ちいきん会」は事業者の悩みを聞く機会でもあり、地域のハブといったところでしょうか。
太田:全国を回って福島の現状を話しているのですが、原発問題も8年も経つと、皆さん忘れていますよね。Jヴィレッジが宿泊もできるようになったと話すと、驚かれる方も多い。行政だけでは、自分たちも発信できない部分があるので、こうした会でお話をするのは、いい機会ですね。PVでコメントをいただいた8人の首長さんたちも、皆さん喜んでいます。
藤本:金融機関の人材育成が追いついていませんね。たとえMBAを取っても、事業支援をするための経験的な実践知が必要で、金融の法律を学んだだけの形式知では、対応できないんですよ、とくに中小企業の場合には。事業者と支援者がホンネで語り合える場数(ばかず)の経験が不可欠でしょう。でも、初めて参加しましたが、この「ちいきん会」、ホンネで語り合えるいい試みですよね。
小柳:いわき市でいいことをやっているのに、その情報があまり知られてはいない。でも、こういう機会にご紹介させていただき、良い機会でした。サークルセッションでは、とくに行政サイドの人から、いろいろ質問を受けました。支援をしたいと思う企業をどう探すのですかと聞かれたので、こう答えました。なんで「支援」という上から目線で言うのですか、本当に課題解決をしたければ、支援という第三者的な見方ではなく、中に入って自分でやればいい。もし副業でできないのであれば、知見を生かしたボランティア、プロボノとしてやればいいでしょうと。でもスキルが…と言うので、私だって元は(今でも)医療の素人ですよ、と答えました。要は悩んでいる暇はなく、まずは行動。自己の中にパッションがあれば、まず動き出して、その後に改善し続ければいいだけの話です。
交流会の談笑の渦は、果てしなく続く。定刻を少し過ぎて、「ちいきん会in福島」は、次回での再会を約して、お開きとなった。
撮影・茅原田哲郎 文・石井亨