地方創生「連携・交流ひろば」 | 地方創生のノウハウ共有掲示板と実践事例紹介dancyu第3回薬膳dancyu第3回「三重の「健美和膳」と「温泉宿泊プラン」」2ページ

「食と健康」で地方創生。日本の本物の食を伝えるdancyuが徹底取材。

まずい薬膳、おいしい薬膳。

第三回

三重の「健美和膳」と「温泉宿泊プラン」

日本風土、日本人に合った「健美和膳」を提案

温泉、鍼灸ときたら、いよいよ夕食だ。宿では、これまで提供していた会席料理をベースに、鈴鹿医療科学大学の髙木久代教授に監修を仰ぎ、効能が相乗する食材に差し替えたり、油はオリーブオイルに切り替えたりと工夫を凝らしている。“薬食同源“を基本の考えとし、季節の生薬を取り入れる「健美和膳」という料理に昇華。西洋医学と組み合わせて総合的に考えており、カロリーは900kcal前後を目指している。そのため甘味付けにはカロリーも糖質もないラカントを用いたり、塩分控えめの減塩醤油を使うことも。薬膳料理でいて、「おいしい」が大前提。三重県の名産である牛肉も取り入れ、低カロリーと思えないような品数も十分の献立を提供する。


冬の薬膳プラン 夕食(エネルギー829kcal)
美と健康をテーマとしたふるさと会席

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【食前酒】”ハーブの恵み” クコの実
ハーブを漬け込んだリキュールを源泉で1:1に割ったもの。
粘膜に潤いを与え、のぼせやのどの渇きを解消する、クコの実を浮かべて。


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【先付】牛蒡と蓮根の黒胡麻和え、百合根と海老の浸し、白きくらげと黒きくらげと人参のなます クコの実 紅花
牛蒡と蓮根は食物繊維が豊富で、胃腸の調子とコレステロールをコントロールする。胡麻に含まれる「ゴマリグナン」には、活性酸素を撃退するパワーがあり、肝臓で脂肪の分解を促進する働きもある。
干し海老は高たんぱく低脂肪で、ビタミンB12やカルシウムなどが豊富で、眼精疲労を回復したり、解毒の働きがあるといわれている。滋養強壮・利尿作用のある百合根に加えて、腎臓に溜まりやすい老廃物の排泄を促し、便秘の改善や健康・美容にも役立つ。
紅花は血液の流れを促進する働きが強く、更年期障害や月経不順といった女性に関する病気の改善に効果が期待できる。貧血に効果的なきくらげを合わせて心臓病や高血圧、脳血栓などの予防・改善にも使用される。ちなみに白きくらげは、楊貴妃が愛したアンチエイジング食材としても有名で高い潤い効果が見込め、眼機能も改善する。


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【蒸し物】源泉蒸し蟹 かぼちゃ さつま芋 
蟹は体を冷やしがちな食物のため、宿自慢の源泉で蒸し上げて温かいものを提供。良質なたんぱく質が豊富に含まれて、疲れやすい、風邪をひきやすいといった症状改善に役立つ。気を補う食材のかぼちゃとさつまいもと共に。


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【温物】秋刀魚ロール 白ねぎ 生姜 ちりめんじゃこ あさつき くるみ 
「EPA」(エイコサペンタエン酸)や「DHA」(ドコサヘキサエン酸)が豊富な秋刀魚を用いて、血液サラサラになることを目指す老化防止メニュー。美肌に欠かせないビタミンなども含まれており、脳血栓や心筋梗塞などを予防する作用もあり、寒い時期に引き起こしやすい肌荒れなども解消。体を温める生姜、腎の衰えからくる腰痛や冷えによいくるみを組み合わせて、風邪予防にお薦めできる一皿とした。


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【焼物】松阪牛のミルフィーユ 山芋 しめじ マッシュルーム
牛肉はたんぱく質、脂質を多く含み、特に赤身は鉄を筆頭にさまざまなミネラルに富む。貧血や冷え性の予防・改善に高い効果が期待。消化促進作用を持つ山芋と、免疫力を高めるきのこ類を組み合わせて、冬を元気に乗り切る料理に仕立てる。


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【強肴】鴨団子一人鍋(山芋入り) 白菜 焼きねぎ 豆腐 にら 干し椎茸 なつめ 
気を補い、貧血や免疫力向上作用のあるなつめや免疫力を高める干し椎茸を入れたつゆで、「冬野菜の王様」と呼ばれるほどビタミンCがたっぷりの白菜や冷えに働く白ねぎをいただく。免疫力強化、風邪予防、冷え性改善などの作用が優れた冬の鍋。


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【飯物】牡蠣の炊き込みご飯(玄米入り) 銀杏 人参 
牡蠣にはミネラル成分やビタミンE成分が含まれていて、心臓病や動脈硬化の予防に働く。銀杏は肺の働きを強め、秋冬に悪化しやすい喘息に効くといわれている。


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【デザート】元気もちもちきび団子 
砂糖は使わず、ラカントで甘味を付けている。きび、もち米を使い、もっちり弾力のある食感に。カロリーは控えめながら、こうした一品で食後の満足感が高まる。


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