地方創生「連携・交流ひろば」 | 地方創生のノウハウ共有掲示板と実践事例紹介dancyu第2回薬膳dancyu第2回「青山有紀さんの「和の薬膳料理」の提案」3ページ

「食と健康」で地方創生。日本の本物の食を伝えるdancyuが徹底取材。

まずい薬膳、おいしい薬膳。

第二回

青山有紀さんの「和の薬膳料理」の提案

豊かな滋養で力をつける!「鍋ものとごちそうご飯」編

ご飯はエネルギーの源。気を養い、力をつける食材です。旨味がしみ出た鍋ものの締めに投入すれば、食物のもつパワーを余すことなく取り入れられるうえ、誰もが頬をほころばせるおいしさに。また、土鍋で炊けば蓋を取った瞬間に思わず歓声が上がるというもの。大満足のご飯で、最高の食事を締めくくる。


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ぶりと牡蠣のみぞれしゃぶしゃぶ鍋


「五島列島でよく食べられているぶりと牡蠣を鍋でいただきます。鍋に入れる大根は、丸々一本分! これで消化をしっかり助けます。ぶりは旨味と脂が豊かなので、合わせる手づくりのポン酢にはあえて鰹節は入れずに昆布だけですっきりと。ぶりと牡蠣のおいしさを余すところなく味わえます。さらにたっぷり柑橘の果汁を入れて、気と血の巡りを高めていきます」



材料(4人分)


・ぶり(切り身) 適量
・牡蠣(加熱用) 適量
・大根 1本
・水菜 1束
・白ねぎ 1本
・えのき茸 1束
・生姜(薄切り) 5枚
・昆布 15g
・柚子 1個
・酒 50ml
・薄口醤油 大さじ2
・みりん 大さじ1
・あおさ、ご飯 適量
・七味、柚子胡椒など お好みで


(つくり方)

  1. 土鍋に水1.5ℓと昆布を入れ、30分以上置いてから弱火にかける。沸騰直前で昆布を取り出し、酒、薄口醤油、みりん、生姜を入れる。
  2. 大根は鬼おろしにして1の鍋に入れ、そこに柚子の皮をすりおろす。
  3. 水菜を長さ7cmに切り、白ねぎは斜め薄切りにし、えのき茸は石付きを切り落とす。牡蠣は酒と塩少々(分量外)に入れて5分ほど置き、手でやさしく揉んで黒い汁が出なくなるまで水で洗い、ザルにあげてペーパーで包んでおく。
  4. ぶりを湯にさっとくぐらせる程度に火を通し、牡蠣は中まで火を通す。野菜もさっと煮る。手づくりポン酢につけ、好みで七味や柚子胡椒をつけていただく。
  5. 最後に具材を取り出し、いったん煮立たせてアクを取り除いてから中火にし、ご飯とあおさを入れて雑炊にする。味を見て塩や薄口醤油でととのえるか、ポン酢少々をかけていただく。


手づくりポン酢


材料


・柑橘類(柚子、橙、伊予柑、ポンカンなど)の搾り汁 200ml
・醤油 200ml
・昆布 10g
・みりん 80ml
・酒 50ml


(つくり方)

  1. 柑橘類は搾って漉す。
  2. 鍋に酒とみりんを入れて火にかけ、30秒ほど沸騰させてアルコールを煮切り、火を止める。
  3. 容器に昆布と1、2、醤油を入れて半日以上おく。


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平干し大根椿油炒めの炊き込みご飯


「平干(ひらほ)し大根は、水で戻すと幅が5 cm以上になる干し大根で、一般的な切り干し大根より幅広の五島列島の特産品です。生よりも食物繊維や鉄分、ビタミンが格段にアップ。火を入れると甘味と旨味が大きく増すので、砂糖やみりんを使わずにつくります。あえて大きめに切って存在感を出すように。大根も、合わせるえのき茸も便秘によく肌にいい食材。排出を促す、滋養ご飯です」



材料(つくりやすい分量)


・白米 2合
・平干し大根(切り干し大根でもよい) 30g
・えのき 50g
・油揚げ 50g
・椿油(または植物油) 大さじ1


A
  あごだし(またはかつおだし) 330cc
  塩 小さじ1/2
  酒 大さじ1
  薄口醤油 小さじ2

・煎り胡麻 適量


(つくり方)

  1. 米を研いで浸水する(夏は30分、冬は1時間ほど)。ザルに上げて水気を切る。
  2. 平干し大根を水で戻し、絞ってから粗めに切る。えのき茸は長さ1cmに切り、油揚げは熱湯にくぐらせて油抜きしてから千切りにする。
  3. フライパンに油を熱して、平干し大根とえのき茸を炒め、塩を振る。油が回ったら1の土鍋に入れる。油揚げとAを入れて混ぜ、蓋をして強火にかける。蒸気が勢いよく出たら、ごく弱火にして10分炊き、火を止めて10分蒸らす。茶碗によそい、胡麻をふる。


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アジの照り焼きのせ香味ご飯 


「蓋を開けたときの見た目で期待が高まりますし、香りのよさ、ご飯のおこげの香ばしさでも喜ばれるご飯です。アジは腎機能に力を発揮し、胃腸の冷えを取る効能があります。そこに青魚との相性がよく、皮に利尿効果があって消化力を高める生姜、気を巡らせて体を温める大葉を組み合わせ、ストレスを外へ出し、デトックス効果が期待できるお料理に」



材料


・アジ(3枚におろしたもの) 2尾分(大きければ1尾半)
・白米 2合
・生姜 20g
・大葉 3枚
・みょうが(粗めのみじん切り) 1個
・スプラウト 1/4パック


A
  酒 大さじ1
  醤油 大さじ2
  みりん 大さじ2

・薄力粉 適量
・椿油(または植物油) 大さじ1
・胡麻、木の芽 適量


(つくり方)

  1. 米は研いで浸水させる(夏は30分、冬は1時間ほど)
  2. 土鍋にザルに上げて水気を切った米と生姜を入れ、水360mlを入れて蓋をして強火にかける。蒸気が勢いよく出たらごく弱火にして10分炊き、火を止めて蒸らす。
  3. 大葉は千切り、みょうがは輪切り、スプラウトは半分に切り、すべて一緒に水に5分ほどさらす。ザルに上げ、しっかり水気を切る。
  4. ご飯が炊けたら、蒸らしている間にアジに薄力粉をまぶし、フライパンに油をひき両面をカリッと焼き、余分な油をペーパーで拭き取ってからAを入れ、たれが煮詰まるまで全体になじむようにからめる。蒸らしたご飯にたれごと乗せ、3の薬味と胡麻、あれば木の芽を乗せる。


撮影・神林 環 文・沼 由美子


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