沖縄県は、古くから中国や朝鮮、東南アジアの国々と交易を行っており、諸外国の影響を受けながら現在に伝わる独特の文化が形成されました。「豚の鳴き声以外を全て食べる」と言われる程に発達した豚肉料理や、メキシコ料理のタコスをアレンジしたタコライス、豆腐を長期間熟成した豆腐よう、様々な食材を炒めるチャンプルー(ごちゃまぜ)料理など食文化も独特です。日本のビーチリゾートとして人気を集める沖縄県には、沖縄美ら海水族館や琉球村などの多くの観光名所があり、「琉球王国のグスク及び関連遺産群」は世界遺産に認定されています。

沖縄そば

 小麦粉100%で作られた麺を豚骨とかつお節ベースのスープで食す麺料理。
 起源は中国にあるとされ、伝わった当初は琉球王朝の宮廷料理でしたが、大正時代に入ってから街中にそば屋が増え多くの人々が食す料理になりました。
 その後改良が重ねられ、ソーキ(豚の骨付きあばら肉)もしくは豚の三枚肉、かまぼこやねぎを入れ、薬味に紅しょうがを添える独自の麺料理が誕生しました。現在では細麺を使う八重山そばや、縮れがない麺を使う宮古そばなど、県内においても麺やスープ、具などに地域毎の異なる特徴があります。

ゴーヤーチャンプルー

 ゴーヤーと島豆腐、野菜、豚肉などを炒めた郷土料理です。
 チャンプルーとは、ウチナーグチ(沖縄方言)で「ごちゃまぜ」という意味で、料理における炒め物をさします。ビタミンCが豊富で夏バテに効果的とされるゴーヤーは、農家の畑ではもちろん一般家庭の庭先でも栽培されており、沖縄県民から愛されている夏野菜です。
 ゴーヤーチャンプルーをはじめ、麩で作るフーチャンプルーや素麺で作るソーミンチャンプルーなど、沖縄県には多くのチャンプルーが存在します。

いかすみ汁

 イカの墨で仕上げる真っ黒なご当地汁。沖縄県の特産物である豚肉、島豆腐、ニガナなどが入る栄養豊富な料理です。のぼせや頭痛、肩こり、産後の回復によいとされ、沖縄県では出産直後の女性が最初に食す料理がいかすみ汁であったとされています。
 発祥には諸説あり、キリスト教布教のために沖縄に来ていた宣教師によって伝えられたという説もあります。
 いかすみ汁をはじめ「クリジューシー(クリ=イカスミ、ジューシー=雑炊や炊き込みご飯など)」と呼ばれる雑炊や「イカスミそば」など、沖縄にはイカスミを使う食文化が根付いており、現在も食されています。