江戸幕府への献上品が200年ぶりに復活!
寒塩引(かんしおびき)は、オスのサケを3カ月間塩漬けにし、その塩分を抜くために水に浸す工程を10日間繰り返した後、3カ月間干して完成する石狩地方に伝わる保存食である。凝縮された旨みと柔らかくてしっとりした食感が特徴。
冷蔵技術及び物流が未発達な時代に考案され、江戸時代には幕府へ献上されていた。製造期間の長さと製造の手間から敬遠され衰退の一途を辿っていたものの、明治維新後に北海道開拓長官に就任していた黒田清隆が寒塩引の製造方法を文書として残すよう命令したことから、その食文化が後世に託された。
寒塩引が献上品とされていた江戸時代から約200年後の2013年、黒田清隆の命によって遺された文書に記載された製法に基づき、石狩市の有志によって組織的な製造が復活した。