人口減少や産業停滞等、地域における諸課題は複雑性を増しています。こうした諸課題に対応するためには行政主体による従来的なアプローチだけでなく、地域経営を担う様々なアクターが課題意識と方向性を共有し、協働による一体的な課題解決に取り組むことが重要です。
日本生産性本部では企業・行政・各種団体・大学等のアクター協働による地域課題解決と個々の組織の生産性向上を実現する『地域生産性向上プロジェクト』を発足させました。第一弾として静岡県静岡市における「ダイバーシティ・インクルージョン」をテーマに実践し、新たな地域経営のモデルを推進して参ります。
このページではプロジェクトの概要と取り組み内容をご紹介します。
本プロジェクトは地域やテーマを変えながら今後横展開を図っていく予定です。
ご興味・関心をお持ちいただけましたら以下連絡先までご一報いただければ幸いです。
公益財団法人日本生産性本部自治体マネジメントセンター
担当:齋藤・吉田・佐藤
TEL:03-3511-4013
Mail:public@jpc-net.jp
静岡の抱える地域課題
静岡市は慢性的な人口減少が続いており、2065年には生産年齢人口が約半数まで減少することが予測されています(下図1参照)。なかでも若年層の就職や進学を契機とする一方通行型の大都市流出が課題となっており、特に女性の流出が多い点が特徴です。
人口減少が加速するなか、地域経済の活力を維持・向上させるために有効な処方箋の一つが「インクルージョン」の推進です。インクルージョンとは多様な人材が相互に機能し、能力が発揮されている状態を指しており、地域・組織において取り組みを推進することで個々人が尊重され、モチベーションやエンゲージメントが高まる効果が期待されています。(下図2参照)
ただし地域におけるインクルージョンは行政あるいは企業単独での実現が困難であり、地域全体であらゆるアクターの連携・協働による施策推進が必要です。そこで女性を中心とする若年層流出の食い止めが地域の重点課題であり、また地域経済の成長にむけて組織と人の活性化が求められる静岡市ではインクルージョンの必要性が今後一層高まると考え、本プロジェクトの対象地に選定しました。
【図1:人口推移】
国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口」を基に
日本生産性本部が作成。2015年を100として3区分で集計
【図2:インクルージョンの概念】
本取組実施の背景と手法
本プロジェクトでは各アクターの取組の方向性を整理する「地域目標」とそれを具体化する「各アクターの役割」の設定を重視しており、これらに基づいて個別組織の行動計画策定へと展開して参ります。まずはじめに、「地域目標」と「各アクターの役割」を設定する産官学連携でのワークショップを実施します。(2022年4月22日に実施)
ここでは10年後の静岡がどのようにインクルージョンを推進するのか定量的な観点から議論とアイデア出しを行い、グループごと地域目標を設定し、目標実現にむけた各アクターの役割設定を併せて実施します。
ワークショップ実施後は企業を中心とする組織の行動計画策定を行う定例会を開催します。メンバー間の協働と交流促進による地域におけるナナメの関係を構築し、学習コミュニティとして機能させることを目指します。(22年4月以降定期的に開催予定)
※行動目標策定は主に企業を対象に検討しています
本取組に協力いただく講師
龍谷大学政策学部
白石 克孝(しらいし かつたか)氏
主な研究分野:持続可能な地域づくり、協働による地域づくり、行政学等。
経歴:名古屋大学大学院法学研究科博士後期課程単位取得、修士(法学)。名古屋大学法学部助手、龍谷大学法学部助教授、同教授を経て、政策学部教授
主な著書:『持続可能な地域実現と協働型ガバナンス-日米英の事例比較を通じて』(共著、日本評論社)、『参加と協働の地域公共政策開発システム』(共著、日本評論社)等
静岡県立大学経営情報学部
国保 祥子(こくぼ あきこ)氏
主な研究分野:組織マネジメント、組織行動、人材育成等。
経歴:民間企業でのコンサルティング経験を経て、慶應義塾大学大学院経営管理研究科修士課程修(MBA)、同大学院博士課程修了
主な著書:『働く女子のキャリア格差』(単著、筑摩書房)、『静岡に学ぶ地域イノベーション』(共著、中央経済社)、『人材開発研究大全』(共著、東京大学出版会)等
本取組の主な参加者
【民間企業】
静岡市内に拠点を置く企業及び支店
(サービス業、情報通信業、金融業、保険業 等)
【各種団体】
行政、経済団体、経営者団体、労働組合 等
【大学生】
静岡県立大学経営情報学部 国保祥子ゼミナール所属生
※上記はワークショップの参加組織です。今後状況に応じて拡充して参ります
初回ワークショップ(地域目標と役割の策定)
初回としてインクルージョン推進にむけた「地域目標」と「各アクターの役割設定」を行うワークショップを実施しました。
■日 時:2022年4月22日(金)
■会 場:静岡県総合研修所「もくせい会館」
■参加者:企業・行政・団体・大学生等 約30名
■主 催:日本生産性本部
■参加費:無料
■講 師:龍谷大学 白石克孝教授
静岡県立大学 国保祥子准教授
■目 的:アクター協働によるインクルージョン推進にむけた
講義並びに地域目標と各アクターの役割設定
午前中に協働による地域経営とインクルージョン推進の意義や効果に関する講義を白石先生、国保先生それぞれから行い、それらを踏まえて午後に以下3つのワークショップを実施しました。
①活発なアイデア出しから「地域目標」を設定する
②地域目標の実現にむけた各アクターそれぞれの手段を検討する
③検討した手段をベースに各アクターの役割が表される施策を策定する
当日の流れは下イメージ図をご覧ください。
龍谷大学 白石克孝先生
静岡県立大学 国保祥子先生
グループでのアイデア出しの様子。大学生の皆さんにも進行役を務めて いただきました。
ワークショップは国保先生に運営いただき、産官学のあらゆる参加者が 静岡の将来にむけたフラットな議論を行いました。
グループで策定した地域目標
各グループが設定した目標並びに白石先生・国保先生の公表は下記の動画からそれぞれご覧いただけます。どのような議論が交わされたか、その様子を垣間見ていただければ幸いです。
また参加者間の交流の場として、グループごと連携交流ひろば「ハモリバ」内にスレッドを設けています。是非合わせてご覧ください。
地方創生カレッジ「連携・交流ひろば」の各グループごとの掲示板にジャンプします。
インクルージョンに係る課題の深掘り
初回は活発なアイデア出しからインクルージョンを始めとする地域課題について広く議論を交わす場としましたが、今回から静岡の最重要課題である「人口流出・減少問題」にフォーカスを当ててインクルージョンの観点から解決策を検討いたします。
そこで前回同様に産官学各界から参加いただき、静岡における人口流出とインクルージョンが進まない要因についてグループワークとワールドカフェを通じて深堀を行いました。
■日 時:2022年7月1日(金)
■会 場:コワーキングスペース「=ODEN」
■参加者:企業・行政・団体・大学生等 約25名
■主 催:日本生産性本部
■参加費:無料
■講 師:静岡県立大学 国保祥子准教授
■目 的:静岡でインクルージョンを推進する意義・目的の整理と
地域目標とアクター別役割の設定にむけた方向性の検討
人口流出への対応策は大きく「人を増やす取組」と「人を減らさない取組」の二つに分けられます。
前者は移住・定住促進が代表例で全国の自治体で活発な取組が進められているものの人口減少下にある日本では限られたパイの奪い合いであり限界が見え始めています。
そこで関係人口や外部人材といった居住地を限定せずに地域に新たな力を取り込む取組が注目されていますが、ただ「数」を増やすだけでは個々人が充分に個性やスキルを発揮することができず、生産性向上に繋がりません。
大事なポイントは、地域や組織のなかで老若男女誰もが輝ける環境・風土を形成することであり、そのためには人材活躍の視点から中長期的な計画策定と能動的な取組の推進が必要です。
首都圏への流出が顕著な若年女性を対象にしたアンケートでは静岡は首都圏と比べて働く場のソフト(若手や女性の活躍、働く場の選択肢等)の満足度が低い傾向にあることから、本プロジェクトでは特に「働く場」に焦点を当てて多様な人材が活躍できる環境づくりにむけた地域全体での目標設定と、企業が抱える課題の発見と改善に両輪で取り組んでまいります。
はじめにグループ内で目指す理想の姿を「多様性を尊重されて、誰もが静岡に暮らし働き続けたいと思えている」とし、人口流出が止まらない現状とのギャップが起こる要因を働く場に絞って議論し、続くワールドカフェで参加者間の交流と意見交換を行いました。
その後、元のグループに戻り、考えられる様々な要因から最も重要だと思われるものを一つ選んで『皆がいきいき暮らし、働き続けたくなる静岡』とはどのような状態(街)か話し合ってフレーズに落とし込みました。
各グループの成果物はこちらからご覧ください (919KB; PDFファイル)
特にUターン就職が少ないことに課題感を抱くグループが多く、地域の企業間での人材共有、情報発信の強化、職場の心理的安全性の向上、地域内における私的なつながりの拡大等、4つのグループいずれもインクルージョンの推進による人口流出問題の解決にむけて個性あふれる取組の方向性を検討していただきました。
次回以降は、グループで考えた重点要因とフレーズに基づいて具体的な目標設定にむけた指標と水準の検討を行います。
また、下記の各グループディスカッションの写真はクリックすると拡大します。
各グループ発表の様子は以下の動画をご覧ください。
地方創生カレッジ「連携・交流ひろば」の各グループごとの掲示板にジャンプします。
なおEグループはDグループと統合しました。
構造の分析と真因の追求
インクルージョンに関する課題は「職場」「組織」「地域」等のあらゆるレイヤーで多くの要因が複雑に絡み合っており、施策の立案には課題が発生する構造を分析し、すべてに通ずる根本的な要因―真因を発見することが重要です。
そこで今回はグループ単位で深い議論を重ねながら静岡でインクルージョンに関する課題が発生する構造と課題の真因を検討しました。
■日 時:2022年7月29日(金)
■会 場:コワーキングスペース「=ODEN」
■参加者:企業・行政・団体・大学生等 約15名
■主 催:日本生産性本部
■参加費:無料
■講 師:静岡県立大学 国保祥子准教授
■目 的:インクルージョンに関する課題の構造を分析し、
同時に課題が生じる真因を追求します。
政策形成による問題解決は大きく[問題の発見]→[課題の設定]→[政策の形成・決定]→[政策の実施]→[政策の評価]の流れで行われます。
本プロジェクトでは前回までに問題を【理想:多様性が尊重され、誰もが静岡に暮らし働き続けたいと思えている】と【現状:若い女性を中心に大都市への流出が止まらない】のギャップと定義し、グループ単位の議論を通じて「職場の心理的安全性」「働く場の選択肢の多様性」「企業と個人の意識差」「自己実現のチャンスが少ないと思われている」等の静岡が抱えるインクルージョンに関する数々の問題を発見しました。
今回は議論をさらに深く一歩踏み込んで、「なぜ」「どういった」構造でその問題が発生するのか分析し、施策の立案に必要な真因(根本的な要因)の特定を行いました。
真因は「氷山モデル」と称されるように基本的に表出せず、目に見えません。
真因を発見するためには問題を構成するあらゆる要素を洗い出し、問題を生み出す流れや構造を分析しながら深く問いかけを重ねる作業が必要です。
インクルージョンは女性活躍推進や外部人材活用等の職場や組織固有の問題であると同時に、シナジーを最大化させ、地域・企業価値や生産性の向上につなげるためには地域のアクターすべてが携わり一体的にロードマップを描くことが求められる複雑性の高い問題です。
そこで今回は約2時間をかけてKJ法を用いながら深い議論をすることで参加者のメンバーシップをさらに強化し、問題の構造の分析と真因の追求を行いました。
検討の結果は最終的に「真因のまとめシート」に落とし込みました。このシートをもとに次回以降、具体的な目標設定にむけた指標と水準の検討を行います。
各グループの成果物はこちら (2725KB; PDFファイル)からご覧ください。
なお、Bグループは欠席のため後日フォローアップを実施します。
また、下記の各グループテーマの写真はクリックすると拡大します。
各グループ発表の様子は以下の動画をご覧ください。
地方創生カレッジ「連携・交流ひろば」の各グループごとの掲示板にジャンプします。
先進地域との交流、真因の追求(続き)・指標と水準の検討
本プロジェクトではインクルージョンの推進を通じて静岡が抱える最大の地域課題-「人口流出」に対応し、誰もがいきいきと静岡に暮らし・働き続けられる地域づくりの実現に向けた目標設定に取組んでいます。
目標の実現には産官学のあらゆる関係者がいかに目標の実現に向けて同じ目線を持って連携できるかが鍵になります。
そこで今回は産業振興や多様な人材の活躍等といったあらゆる関係者の協働が求められる地域課題の解決に産官学横断で取組む先進的なプラットフォーム(福岡地域戦略推進協議会様)を招き、講演と意見交換を通じて関係者の「巻き込み」をどのように実現するかについて検討を行いました。
■日 時:2022年9月7日(水)
■会 場:Zoom
■参加者:企業・行政・団体・大学生等 約20名
■主 催:日本生産性本部
■参加費:無料
■講 師:静岡県立大学 国保祥子准教授
福岡地域戦略推進協議会 前田真事務局次長
■目 的:産官学協働で地域課題に取組む先進地域との交流を通じて
目標設定に必要な関係者の「巻き込み」と連携について検討を行う。
福岡地域戦略推進協議会様は福岡都市圏の地域戦略の策定から推進までを一貫して行う、産学官民一体の『Think Doタンク』です。
新産業の創出や多様な人材の活躍等、企業・行政単独では解決の難しい諸課題に地域一体で対応するため、2011年に民間企業、行政(福岡県・福岡市)、大学、経済団体等が中心に設立されました。
現在では200社を超える企業、団体等が会員に加わり、それぞれのリソースを持ち寄りながら人材育成や観光・商業の振興、デジタル化の推進等の施策を立案し、それを実現に移すことで多くの成果が生み出されています。
プログラムの前半では事務局次長の前田真様に『産官学民連携で考える未来のまちづくりに向けて~福岡地域戦略推進協議会の取り組み~』と題した講演をいただきました。
既に数多くの成果が生み出されている福岡ではどのように関係者の巻き込みを図ったか、またプラットフォームの立ち上げと市政・県政等への反映や連携のあり方について紹介をしていただき、プロジェクトの今後に向けた示唆をいただきました。
前田様に講演いただいた後は、グループごと分かれて感想や意見を述べ合い、前田様に各グループから質問を寄せていただきました。
交流の詳しい様子は福岡地域戦略推進協議会様のHPに掲載されています。ぜひご覧ください。
プログラムの後半では、第3回目に引き続いて「真因の追求」とKPIを構成する「指標と水準の検討」をグループ単位で行いました。
課題を解決するためには先ず真因を特定し、それをどのような指標・水準で測定するかが重要です。 インクルージョンはその定義の広さもあり、課題認識や取組のプロセスがグループによって異なる個性豊かなものになっています。
今回はグループごとリーダーを設定しました。 今後はグループ単位で議論と作業の機会が増えていきます。 フォローを重ねながらグループ単位で実のある目標が設定できるように活動を続けてまいります。
以下は真因の追求結果(まとめシート)の一例です。
Aグループでは理想『誰もが多様性を尊重されて静岡に暮らし働き続けたいと思えている』と現実『若い女性を中心に大都市への流出が止まらない』のギャップが生まれる大きな要因を「自己実現のチャンスが少ないと思われている」と定義しました。そして、ギャップを構成する要素に「物理的な選択肢が限られている(地域・組織)」「選択を尊重する文化がない(組織)」「新しい選択肢を主体的に生み出していない(個人)」等を列挙しています。検討の結果、ギャップを生み出す真因(根本要因)を【キャリアの自己選択の余地がない】と導き出しました。
次回以降、真因【キャリアの自己選択の余地がない】の解決に向けたKPIを構成する指標と水準を検討し、具体的な地域目標とアクター別役割の設定を行ってまいります。
地方創生カレッジ「連携・交流ひろば」の各グループごとの掲示板にジャンプします。
地域目標の検討①
本プロジェクトではインクルージョンの推進を通じて静岡が抱える最大の地域課題-「人口流出」に対応し、誰もがいきいきと静岡に暮らし・働き続けられる地域づくりの実現に向けた目標設定に取組んでいます。今回は、9月にグループごと検討した人口流出が生じている「真因」(根本的な要因)について深堀の議論を実施しました。
本プロジェクトでは協働による地域課題の解決を目指しています。各アクター(行政・企業・団体・大学等)それぞれが有する課題認識を共有し、各組織が有するリソースや強み等を活かしながら具体的な打ち手の検討と実施に向けて、まずは「なぜ」課題が生じているかの深堀と、取組のターゲット(KPI)の設定に取り組みました。また、グループ横断のディスカッションの時間を多く設け、組織や立場の壁を越えて新たな知見やアイデアを喚起することを促進しました。
地域目標の検討②
本プロジェクトではインクルージョンの推進を通じて静岡が抱える最大の地域課題-「人口流出」に対応し、誰もがいきいきと静岡に暮らし・働き続けられる地域づくりの実現に向けた目標設定に取組んでいます。今回は前回に引き続いて地域目標の検討を行うとともに、地方創生カレッジ事業『\静岡発/学生が主役の地方創生プロジェクト』に関して、地域の学生が地方創生により取り組めるようにするための意見交換を実施しました。『\静岡発/学生が主役の地方創生プロジェクト』は、静岡県立大学国保研究室の学生が主体的に地方創生の推進につながる事業を企画・実施することを支援する取り組みで、本プロジェクトで培ったネットワークが活用されています。
今回は22年7月以来のリアル開催になり、プロジェクト参加メンバーが久しぶりに顔を合わせる機会になりました。これまでの議論の内容を整理するとともに、静岡県立大学国保研究室の学生が主体となって取り組んでいる『\静岡発/学生が主役の地方創生プロジェクト』に関する意見交換を実施しました。
また、今回から23年1月30日の地域目標発表会に向けてグループごと2~3回のオフミーティングを実施し、グループそれぞれで地域目標とKPIの設定に取り組みました。
地域目標の発表
本プロジェクトではインクルージョンの推進を通じて静岡が抱える最大の地域課題-「人口流出」に対応し、誰もがいきいきと静岡に暮らし・働き続けられる地域づくりの実現に向けた目標設定に取組んでいます。今回は、22年4月にスタートした本プロジェクトでこれまで取り組んできた「人口流出」が生じる根本的な要因の分析結果と改善に向けたグループ単位の目標(KPI)について発表する場を設けました。地域の各アクターが協働する枠組みによって地域の課題を分析し、具体的な目標(KPI)を設定し、これを発表することで各アクターの行動変容を喚起し、新たな取組の実現に向けた機運づくりを行いました。また、発表に先駆けて静岡県立大学の国保先生には「アクター協働による新たな価値創造」に関する講義をいただきました。
発表会終了後に実施した交流会では地域の大学生を招き、世代を超えて地域の課題や将来について語り合いながらフラットでオフなネットワークの構築に取り組みました。
これまで本プロジェクトでは大都市に若い女性を中心にした人材が流出してしまう課題に対して、下図:[問題の発見]→[課題の設定]→[目標の設定]の流れで議論を重ねてきました。議論の過程で特に重要視したのは[課題の設定]における[課題の真因(根本要因)の特定]です。なぜ人口流出が発生してしまうのかを「地域」「組織(職場)」「個人」の三層に分けて意見を出し合い、どの層にどのようなアプローチを行なえば課題解決につながるのかを検討し、これを踏まえてグループ単位で具体的なKPIの設定を行いました。
なお、[政策立案・実施]および[政策の評価]は23年度に実施していく予定です。今年度検討した地域目標の達成に向けて、多様なアクターが協働することで新たな取組を生み出し、地域の生産性や魅力を高める価値の創造を行ってまいります。
各グループの議論の成果の要旨は以下の通りです。
【Aグループ】
【Bグループ】
【Cグループ】
【Dグループ】
【ミーティングの様子】
国保先生による講義の様子。アクター協働による新たな価値創造について、主に人材育成の観点からお話しいただきました。
グループの発表の様子。メンバーの所属組織の関係者(上司・同僚等)にもお越しいただき、プロジェクトで話し合われた問題意識の共有を行いました。
白石先生と国保先生にはグループの発表について講評のコメントをいただきました。
地方創生カレッジ「\静岡発/学生が主役の地方創生プロジェクト」について、企画を担当した静岡県立大学の山本さんにプロジェクトのコンセプトや狙い・想いを語っていただきました。
「\静岡発/学生が主役の地方創生プロジェクト」の概要はこちらをご覧ください。
終了後はメンバー有志と地域の大学生を交えて交流会を開催しました。皆さん約1年間本当にありがとうございました!