地方創生「連携・交流ひろば」 | 地方創生のノウハウ共有掲示板と実践事例紹介人材紹介業務の実務に役立つコンテンツ【Vol.34】「営業店担当者のスキルアップ確実! 地域企業の人材確保に必要なこととは?」

2023/3/8配信メールマガジンアーカイブ


 

【Vol.34】「営業店担当者のスキルアップ確実! 地域企業の人材確保に必要なこととは?」


労働市場への知見に乏しい地域中小企業における求人では、ともすると「求人内容・採用条件として実際の人材市場にいないような人材を望まれている」「会社本位の求人情報であり、求職者にとって魅力的にみえる求人情報になっていない」というケースも少なくありません。
そしてこういう類の企業様ほど人材確保に苦労されている傾向にあります。
今回は、こうした傾向にある企業様が人材確保に成功していくために必要とされる支援を考えてみました。

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1.人材市場のシフト(「囲い込みの時代」→「流動性の時代」)
2.求職者・従業員の意識のシフト
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結論から申し上げると、人材確保に苦労している地域中小企業には兎にも角にも「(人材市場の)変化を知り適応する」ことを具体的に共有していくことだと思います。
今回は地域中小企業に共有していくべき「人材市場の変化」について以下のような切り口で整理してみました。
このひとつひとつについて具体的に内容をみていきたいと思います。



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1.人材市場のシフト(「囲い込みの時代」→「流動性の時代」)
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「人材確保がどれほど難しいのか」ということを地域中小企業に伝えて回ることも、人材紹介業務を扱う地域金融機関の役割であると考えております。
一つ目として、昭和~平成~令和と時代の推移の中で人材市場がどうシフトしたのか、その具体的な内容について以下挙げてみました。


平成の30年間の間に「終身雇用」の実態は崩れ、確固たる「転職市場の形成」を経て「転職概念の変化」にまで至りました。
バブル崩壊から就職氷河期が続き更にはリーマンショックや東日本大震災といった、企業経営が苦しくなり始めた平成の時代、早期退職制度が多くの企業で取り込まれる等、「終身雇用」を前提に採用をしていた時代は終わりました。


転職市場には求職者も求人企業も飛躍的に増加し、それと共に人材紹介や人材派遣、転職サイトの事業者の数も増加。
それに呼応する形で更に中途採用の求職者も求人企業も増え、転職市場の規模は飛躍的に大きくなりました。
こうして人材市場は「終身雇用」を前提とした「囲い込み」の時代から「流動性」の時代へ「全国的に」推移しました。
東京の大企業・中堅企業と比べて待遇面で劣る地域中小企業においてこそ、この厳しい変化の現実を一早く知り適応するための施策を打つことが人材確保への近道といえます。


また更にはその動きに伴って起きたことが「転職概念の変化」でした。
まず求職者サイドからの観点ですが、昭和の時期には「転職はできればしない方がよい、キャリアに傷がつく、世間映えがよくない」とネガティブに捉えられましたが、「キャリアップのために転職をする」「会社が自分に合わなければ環境を変えるべき」とポジティブな捉え方に180度変わりました。


また求人企業再度からの観点としては、中途採用において「転職歴が3回以上ある求職者は採用対象とすべきでない」と捉える時代から、「転職歴が3回あるということは経営者・組織・風土・文化の違う会社を3回経験している」、「そしてキャリアアップを図った転職であることから採用対象として検討に値する」と、これもポジティブに捉える時代に変化しました(裏を返すとそこまで検討対象にしないと応募者形成できないのもあります)。



さらには人材の登用形態が多様化したことが挙げられます。
「通常の雇用」から「プロジェクト型雇用」「副業・兼業人材の活用」まで活用する形で、人材確保の最適化が始まっているのは、副業プロ人材の紹介も扱われる皆様が日々痛感されていることと思います。


ともすると情報難民となりがちな地域中小企業において、上記のような人材市場における、これらの変化の度合いを知らないまま会社本位な採用条件のみを掲載した求人を掲げ、人材確保ができないと嘆かれている経営者もまだまだいらっしゃいます。


私たち地域金融機関の人材紹介業務において地域中小企業に対してこういった、人材市場の「変化」と向き合う案内から始めることで信頼度が上がり、ひいては地域金融機関が行う伴走型支援による「人材紹介」の活用への意欲が向上することは確実かと思います。



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2.求職者・従業員の意識のシフト
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次は「求職者・従業員の意識のシフト」についてです。
こちらは内容が多岐にわたるため、箇条書きで整理してみました。


■求職者・従業員の意識のシフト-「会社」の捉え方
    ・「その会社」に勤めるのが「目的」→「その会社」務めるのは「手段」


■求職者・従業員の意識のシフト- 「仕事」の捉え方
    ・「仕事」より「私事」(家庭や友人・趣味etc)
    ・「お金」より「時間」(残業や管理職業務の時間を敬遠)
    ・「会社」に仕事がつく → 「個人」に仕事がつく


■求職者・従業員の意識のシフト- 「キャリア形成」の考え方
    ・人生70歳まで働けるキャリア形成を目指す
    ・一社でのキャリアより複数社でのキャリア
    ・会社本位な「多能工スキル」より従業員本位な「専門スキル」


■求職者・従業員の意識のシフト-「最終キャリア」の目標
    ・本業・副業を持つ/使い分ける
    ・「会社」に仕事がつく → 「個人」に仕事がつく(個人事業主となる)


■求職者・従業員の意識のシフト-「働き方」の多様化
    ・育児・介護はじめ「日中の私事」に対応する「働き方」がしたい
    ・本業・副業を持つ/使い分けたい
    ・人生100年時代を生き抜くため70歳まで活躍したい


■求職者・従業員の意識のシフト-「求職条件」の変化
    ・休日休暇が多い会社:日数と種類(介護・育児他)
    ・働き方が柔軟な会社:在宅・時短・シフト他
    ・ミッションが明確な会社: 遣り甲斐ある業務か・キャリア/スキル形成可能か
    ・制度設計(評価・等級・賃金)があり適切に運用されているか
     (安心して長く働ける制度&キャリア・スキルを活かせる伸ばせる制度)


これらの内容を人材確保に悩む地域中小企業に伝えていただく上で訴求いただきたいのは「人材を確実に確保するには上記のようにシフトした求職者側の要件を認識・理解し、それに配慮した求人内容を作る・制度を作る・フォローを行う必要がある」ということです。


その配慮をせず「求人」を作成し人材紹介に繋げても成約に至らない場合が多いですし、成約し「採用」に至っても「定着」せず、人材が再び流出する可能性があることを伝える必要もあるかと思います。


いかがでしたでしょうか?
前回に続き特に営業店側で人材紹介業務に取り組まれる担当者の方々に役立てていただけるよう記載してみました。
更なる疑問点や質問がわいた場合は、ぜひ地方創生カレッジのQ&Aをご利用いただき、積極的に御質問を登録いただけますと大変幸甚です。