地方創生「連携・交流ひろば」 | 地方創生のノウハウ共有掲示板と実践事例紹介人材紹介業務の実務に役立つコンテンツ【Vol.29】地域金融機関が「人材紹介業務」を成功させる秘訣とは?「ケーススタディ-難しい求人への対応方法についてその2」

2022/10/11配信メールマガジンアーカイブ


 

【Vol.29】地域金融機関が「人材紹介業務」を成功させる秘訣とは?「ケーススタディ-難しい求人への対応方法についてその2」


第28回に続き、地域金融機関における人材紹介業務を成功させる秘訣についてお送りいたします。
https://www.chihousousei-hiroba.jp/recruitment/recruitment_NEW_inquiry.html


人材紹介業務に取り組めば取り組むほど、「人材紹介」というソリューションを一辺倒に提供するだけでは人材不足の解決に応えられない、という事を日々感じています。


そして更には、その対策として前回扱わせていただいた「難しい求人への対応(1)(専門系の人材会社やマッチングサイトの紹介)」と「難しい求人への対応(2)(採用手法の見直しの提案)」の内容に倣って対策を講じ求人への応募者を得られる取引先(求人企業)が出てきている一方で、(1)(2)の具体的な対策を講じても結局応募者を得られない、或いは応募者を得られるものの結局入社にまでは至らないという求人企業も多々あります。


今回は、こうした求人企業への人材支援への対策の一例として「難しい求人への対応(3)(訴求力ある求人作成の支援)」と「難しい求人への対応(4)(会社磨きの提案)を扱ってみたいと思います。

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1.難しい求人への対応(3)(HP上での訴求の提案)
2.難しい求人への対応(4)(会社磨きの提案)
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■1. 難しい求人への対応(3)(訴求力ある求人作成の支援)
前回ご案内したIndeed(求人検索エンジン)やエンゲージ(採用管理ツール)を活用したものの結局応募がない、この解決のためにこれらの有料サービスへの着手や運用代行の支援への着手を御案内しました。
しかしこれらの対応でもまだ応募が得られないというお話もよく耳にします。
これは何故でしょうか?


この問題への解決に繋げた事例として、とある地域金融機関では「採用支援の副業プロ人材の紹介」を行いました。
取り組んだのは「求人企業のHP(ホームページ)の改善」です。
人材紹介業務で企業訪問する際に企業HPの内容、とりわけ採用ページの内容をチェックされてから訪問される方も多いかと思いますが、お気づきの通りTOPページもとより採用ページまで各企業とも内容・レベルが本当に多様化しています。


TOPページが表示された際に目につくバナーとして、社員同士が楽しそうに仕事をしている、或いは微笑んでいる画像が使われている、採用ページにいくと単純な採用条件だけでなくまず会社としてのメッセージがしっかり書いてある等、明らかに採用重視の仕様を意識したHPになっている会社も多く出てきました。
一方で、旧態依然として単純な採用条件しか記載されていないHPもあります。
またHPにアクセスするユーザの7,8割はスマホからのアクセスであり、それを踏まえたHPになっている求人企業、そうでない求人企業と分かれてきています。


求職者の多くがネット経由で職探しをする時代、まずはIndeedや求人ボックス或いは従来からの求人広告(マイナビ・リクナビ)やハローワークのサイトを訪れ特定の求人に関心を持つと、必ずと言っていいほどその求人企業のHPを訪れると思います。
その際、上記したような採用向けの対策を充実させているHPの方に応募意欲がわくのは議論の余地がありません。
上記採用コンサルの副業プロ人材の紹介に成功した事例では、採用ページ全体でもHP全体でも訴求力ある「ストーリー」を組んでHP上のコンテンツを再構成したということです。


具体的にはTOPページのバナーは職員がまず笑っている画像から始まり(しかもその画像をクリックすれば採用特集ページに飛ぶ)、一言二言で訴求力のある経営理念を示す言葉を焼いたバナーを繋げ、また経営理念、ミッション、経営者メッセージもスローガンやテーマを整合させる文言を目立たせ(再構成させ)ておく。
採用ページでは、冒頭にあらためて会社としてのメッセージ・想いを掲げ一緒に働きましょうという問いかけと社員インタビューへのリンクをおく、そして求職者本位な内容(評価制度・育成制度はじめキャリア・スキルの向上やワークライフバランスへの配慮)を続ける、最後の最後に「採用条件」を配置する、といったストーリー仕立てでの再構成を実現したということでした(あくまでストーリー作成の一例ですが)。


またEnageで立ち上げた当求人企業の採用ページとの内容の整合および相互リンクも対応したということです。
今より来年、来年より再来年と益々人材確保が難しくなっていくことが予測される中では、こうした対応に着手している地域企業とそうでない地域企業では明らかに差がついていく。
これを営業店、本店の担当者いずれからも取引先の求人企業に伝えていくこと、そして採用支援のプロ人材がいることを伝えていくこと、これ自体非常に価値ある支援に繋がると思います。


尤も既にこうしたHP改革に取り組んでいる地域企業も多く出てきているため、最適な情報提供や提案に繋げるためには、事前にその求人企業がどこまで取り組んでいるかをHPやIndeed上の求人をあらかじめチェックしていくことも必須かと思います。



■2. 難しい求人への対応(4)(会社磨きの提案)
先述した難しい求人への対応(3)(HP上での訴求の提案)まで取り組んでいるものの、人材不足に常時さいなまれている求人企業も少なからずあります。
私が知る限り、こういうタイプの求人企業の傾向として中途採用はある程度できているが入社後に定着しない人数も少なくないというところです。
求職者にとって入社前と入社後のギャップが大きいことが主要な原因かと思いますが、これに対する対策には現実的にどんな支援ができるのでしょうか?


とある地域金融機関での対応事例をご紹介します。
二つ話があります。
まず一つ目です。このタイプの企業に対する課題解決のための第一歩として人事系のプロ人材を提案し「現行の従業員意識調査とその結果への解決策の提示」を行いました。
従業員の評価と意見から分析したところ、具体的に取り組むべき課題が驚くほど出てきました。


・「評価制度・育成制度・給与制度はじめ諸制度の構築・改善」
・「業務環境の改善(PC環境含む)」
・「業務運用の改善(属人化・暗黙知化から標準化・形式知化)への移行」
・「人組織の各種リテラシー底上げ」
・「コミュニケーション改革(IT推進による)」
・「コミュニケーション改革(会社からのメッセージやフォローによる)」


二つ目の話としては、その金融機関がこれら一つ一つの課題解決に対する副業プロ人材の提案まで行ったことです。
最初は費用面も効果面も含め社長が首をたてに振らなかったそうですが、複数回打合せの場を持ち特にこれまでの成功事例(ケーススタディ)を交えながら提言を行ったところ、面談・人材活用にまで至ったとのことです。


また、こうして解決した内容を改善活動への取り組みをHP上にもうまく掲載したことで、(3)の項にある課題への取り組みについて更なる強化に繋がったということでした。


いかがでしたでしょうか?
今回の(3)(4)の課題解決については、外部から新たな人材を確保するだけでなく、既存の社員の確保と更なる活躍・生産性向上にも同様に必須の施策であると思います。
また今回のメルマガで併せて共有させていただきたい考え方は、人材不足に対する課題の本質により切り込んでその本質課題に対応する人材の支援に繋げるという発想・姿勢を常に持って当業務に取り組むということです。
今回のこのテーマの内容が好評で合った場合は、次回以降で更に続編も考えてみたいと思います。