地方創生「連携・交流ひろば」 | 地方創生のノウハウ共有掲示板と実践事例紹介人材紹介業務の実務に役立つコンテンツ【Vol.25】地域金融機関が「人材紹介業務」を成功させる秘訣とは?「人材紹介業務-ビジネスマッチングとの違いは?」

2022/5/31配信メールマガジンアーカイブ


 

【Vol.25】地域金融機関が「人材紹介業務」を成功させる秘訣とは?「人材紹介業務-ビジネスマッチングとの違いは?」


第24回に続き、地域金融機関における人材紹介業務成功の秘訣についてお送りいたします。
https://www.chihousousei-hiroba.jp/recruitment/recruitment_NEW_inquiry.html


上記URLにあるQ&Aお問い合わせにいただいた御質問の中に「そもそも地域金融機関で行う人材紹介業務は、従来ビジネスマッチングで対応してきた人材紹介支援と何が違うのか?」というお問い合わせを多くいただいたことがあります。
今回はこちらについて考えてみたいと思います(24回で扱った「現代の採用手法のトレンド」の続編につきましては26回以降で扱わせていただきます)。


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1.人材紹介業務-ビジネスマッチングとの違い
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【1. 人材紹介業務-ビジネスマッチングとの違い】
地域金融機関で行う人材紹介業務は、これまでビジネスマッチングで対応してきた人材紹介の支援と何が違うのでしょうか?


■求人内容を主体的に定義できる
基本的に一般の人材紹介事業者以外の事業者は求人企業と具体的な求人条件について会話することが制限されています。
給与面をはじめとする待遇面など採用条件となる求人内容は紹介免許があってはじめて可能となります。
日頃から取引先の経営者と親しい関係にあり、通常持ちえない取引内部の情報や事情を踏まえている地域金融機関が求人条件を主体的に定義できるようになることで、これまでのビジネスマッチングでは曖昧な課題や要件のまま提携の人材会社に取り次いでいた人材要件ついて、より現実的で正確な人材要件や求人条件を引き出せる機会が多く出てきます。
そしてこのことが以下に記載する内容にもあるとおり、地域金融機関にとっても取引先にとっても多くのメリットをもたらすこととなります。


■質の向上につながる(本業支援の向上)
ビジネスマッチングでの人材紹介の支援も取引先の経営課題の解決の支援と位置付けて対応している方も少なくないと思います。
ただ、職業紹介免許を取得した人材紹介業務は、人材紹介事業者として人材市場の実態や人材紹介の手法詳細を把握した上に、事業性評価をはじめとする経営課題の整理や解決策の検討にしっかり入り込んで行伴走型支援となるケースが多いため、「両手型」「片手型」のその支援レベルは大きく上がります。
「片手型」の採用工程を民間の人材紹介会社に委ねたとしても効果的な支援を期待できます。


求人票の作成や入社後フォローアップ含め人材紹介の採用工程およびその前後に伴走する形をとれるため、金融機関として取引先への人材のサポート力が大きくあがります。
また人材紹介が成約した後のフォローアップまで行うことで効果的な本業支援につながり且つ次の課題も抽出しやすいため、またビジネスマッチングのように一過性でなく継続的な本業支援を行っていけることとなります。
尤も、人材紹介業務を開始してすぐに出来るようになるのではなく、提携の人材紹介会社からの協力を仰ぎながら案件数を重ねて経験を積むことによって確実に出来るようになることであるため、兎に角この事業に積極的に取り組むことが非常に肝要かと思います。


■量の向上につながる-(成約件数の向上)
上記の通り、ある程度まで課題や人材要件の整理を求人企業と直接行うことで、「両手型」「片手型」問わず成約確度の高い案件に仕立てることが可能となります。
これについては、先行して人材紹介事業を立ち上げた金融機関との連携で、その有効性を占める色々な実績データが上がってきています。
とある人材紹介会社からは、人材ニーズ先への新規訪問件数に対して人材紹介サービス申し込みに至る比率が10~30%から30~50%へ上がったとの報告をいただいています。


■収益力の向上につながる
ビジネスマッチングにおける人材紹介の成約では、提携の人材紹介会社からのマージンバック率は10%が相場かと思います。
これに対して職業紹介免許を持った地域金融機関に対しては20%~30%のマージンバックに対応する民間の人材紹介会社が少なくありません。
地域金融機関が課題や人材要件および採用への本気度をある程度明確にすることで、提携先の人材紹介会社としても成約確度の高い求人を多く扱えるようになることへの期待と信頼がうかがえ、地域金融機関が人材紹介業務に取り組む価値と効果の大きさを民間の人材紹介会社も高く評価していることの現れといえます。


■金融機関への評価と信頼の範囲が上がる
当然ではありますが、日頃から近くにいて取引のある地域金融機関が、取引先における本業支援としてヒトの切り口での課題解決に伴走し、経営課題の整理から人材要件定義・求人内容の詳細まで纏めて支援を行うことで、求人企業からの評価と信頼は確実にあがっていきます。


いかがでしたでしょうか?
ビジネスマッチングでの対応では得られないメリットがいくつもあることはご理解いただけたかと思いますが、重要なポイントとしては地域金融機関における人材紹介業務は本質的に本業支援と関係構築の追求に貢献するこということであり、我々としてはこの点を常に大切にして全行を挙げた組織的な推進を目指していくことが大切なことだと思います。