2021/8/11配信メールマガジンアーカイブ


 

【Vol.12】【両手型の人材紹介業務】入社後フォローアップの進め方


第11回に続き、地域金融機関における人材紹介業務を成功させる秘訣についてお送りいたします。
前回の「【両手型の人材紹介業務】人材マッチングにおける留意点」に続き、今回は「【両手型の人材紹介業務】入社後フォローアップの進め方」についてお送りします。
(当メルマガのテーマは、皆様からの御意見・御質問をもとに作成しております)
https://www.chihousousei-hiroba.jp/recruitment/recruitment_NEW_inquiry.html


地域金融機関が行う両手型の人材紹介における入社後フォローアップは、片手型の人材紹介におけるフォローアップ以上にその重要性が増します。
その本質的な目的が何か、具体的な内容はどのようなものかについて考えてみたいと思います。今回は以下3つの項目に沿ってお伝えしていきます。


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1. 入社後フォローアップの目的と意義
2. 入社前フォローアップの必要性と内容
3. 効果的な入社後フォローアップの進め方
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【入社後フォローアップの目的】
まず入社後フォローアップの目的について今一度確認したと思います。
直接的には何と言っても所謂「入社者の定着化支援」です。


入社した人材が地域の中小企業において活躍していくために、本来は会社として様々なケアや配慮が必要です。
具体的には、社内の雰囲気、 人間関係、各種業務ステップ、期待される事項への対応、関係者の目線・評価等まで色々とあると思います。
ただしこれを地域の中小企業が主体的に、かつ網羅的にカバーするには無理があります。
これを補完し入社した人材が定着、そして活躍できるよう支えられるのは、人材紹介を担った地域金融機関に他なりません
(完全にフォローできるわけではありませんが、その姿勢で関わっていくことに意義と効果がみられます)。


金融機関における人材紹介は、幹部人材を採用する前提として当初設定した経営課題の解決を支援しつつ、企業の継続した成長をサポートする視点が必要となります。
単なる経営人材の紹介で終わらせず、入社後の活躍を通じた対象企業の成長までをフォローする視点が必要です。
一般の人材会社が入社後もフォローアップし続けることは難しく、下手をすると越権ととられかねません。
しかし金融機関の場合はむしろ、人材紹介後いかに経営課題が解決され、想定したとおりに事業性が高まったかを確認していくことこそ本務といえます。
沢には取引先企業からもそれが歓迎されることが少なくありません。


そして会社との接点維持や知見の蓄積等も兼ねる機会と積極的にとらえてフォローアップを継続すると、自ずと以下の状況へ繋がっていきます。


・取引先との関係深化
・次の課題解決に向けた提案・案件化(収益化)


「片手型」での人材紹介では得られないレベルの関係深化につながることも珍しくなく、「地域金融機関がここまでやってくれるのか」という評価を得られることは多々あります。
地域金融機関による両手型の人材紹介は、この入社後フォローアップに対応するからこそ大きな意義を持つといっても過言ではありません。



【入社前フォローアップの必要性と内容】
入社後のフォローアップを効果的なものとするためには、入社前からのフォローアップから開始することが極めて現実的で重要です。


まず地域の中小企業における経営幹部人材の招聘に際しては、経営者の専決事項として採用を決めるケースも多く見られます。
こういうケースにおいては特に、対象企業側メンパーとのギャップを極力減らすために経営幹部や現場責任者・担当者レベルと会話をする場を設定し、お互いのコミュニケーションを促すことが非常に重要なフォローとなります。
候補者の入社により期待される企業の変化(社内の会話が増える・風通しがよくなる、将来への前向きな発言が増える等)を他の経営幹部にもイメージいただくとともに、更には入社後フォローを組織的に行えるよう仕立てることも非常に大切な作業です。
また内定時の段階から工場や事務所等、現場を訪間する機会を事前に用意し、入社後に働くこととなる環境・雰园気を事前に確認できる機会を設けることも重要です。


さらには起き得るギャップを想定しつつ対策を練ることも非常に有効です。
候補者・企業双方との間で入社した後の数ヵ月先までのアクションプランを設計し、期待する仕事内容のマイルトーン管理ができるようにします
(たとえば、半年間で中期経営計画をつくってほしい、海外拠点の立て直しプランを考えてほしい、など定性的で多少抽象的でも目標を作成することが重要です)。


相互の認識ギャップを合理的に最小化するために、準備活動を工夫し、当初のミッションや実現体制、支援、懸念事項への対応手段(誰に相談するのか等)を書面等で共有しておくことは非常に大切です。
また予めモニタリング用の目標管理シートを作成することも有効です。
これらの書面やシートは概括的でよいので入社までに経営者と入社人材、金融機関が共同で作成しておくことを推奨します。



【効果的な入社後フォローアップの進め方】
伴走型支援サービスにおいて、入社した人材が活躍しその活躍によって企業の経営課題が解決されるようフォローしていくことは必須の作業です。
対象企業とは引き続き経営課題の議論を通じて次の提案につながるような関係作りを念頭におきつつ、フォローアップしていくことが重要となってきます。


まずは経営人材が入社前に設定したマイルストーンが達成できているかをモニタリングすることが大切です。
例えば、先述の目標管理シートを通じた6カ月のフォローアップを行い、経営課題および入社人材の目標の進捗をサポート・評価していく形が代表例といえます。
もちろん明示的な目標管理シートが作成できない場合もあります。
その場合も簡略化した形でメモレベルでもよいのでミッションや目標を期間も含めて可視化して共有しておくことが非常に重要です。


また対象企業から人材、または人材から対象企業に対して、直接伝えにくい事項が発生した時を想定し、連絡方法や解決の場の設定について事前に提案しておくことが非常に大切です。
対象企業と人材双方に対する、独立したコミュニケーションの場を予め設けておく必要があります。


そして、都度のフォローアップを通して人材が入社することにより期待される企業の変化を可視化・言語化し、企業側、入社した人材側の双方へ共有することはその後の人材の定着化と活躍に大きな影響を与えます。


さらには、対象とした経営課題が解決したかの議論を通して、次の経営課題の解決の提案へ繋げる会話をしていくことも地域金融機関の役目といえます。
目的は取引先企業の成長支援と関係深化であることを、今一度念頭に起きながらアクションをとります。