2021/3/31配信メールマガジンアーカイブ


 

【Vol.4】現実的な課題整理のノウハウ


第3回に続き、地域金融機関における人材紹介業務を成功させる秘訣についてお送りいたします。
前回のテーマは「取引先への初回アプローチ」「効果的な営業店との連携」でした。
今回のテーマは「現実的な課題整理のノウハウ」についてです。
(当メルマガのテーマは、皆様からの御意見・御質問をもとに作成しております)
https://www.chihousousei-hiroba.jp/recruitment/recruitment_NEW_inquiry.html


以下3つのポイントに沿ってお伝えしていきます。
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1. 課題整理に向けた基本姿勢
2. 課題整理の効果的な手法
3. 課題整理の効率的な手法
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【1. 課題整理に向けた基本姿勢】
取引先との経営課題の整理は金融機関による人材支援事業の成否を大きく左右します。その質を上げる為、初期フェーズでは課題ヒアリングや解決策検討の定型化しつつ徐々に業界・業種ごとの課題や解決策のナレッジを蓄積し、最終的に取引先との関係性・支援目的、リテラシーに配慮ながら柔軟にアプローチを変えていくことが重要となります。
その中で如何なるフェーズにおいても欠かせない重要な基本姿勢が3点あります。

一点目は、経営者との直接対話が必要不可欠ということです。これは従来業務と同様ですが人材紹介業務での効果は更に大きいと言えます。理由は地域の中小企業における幹部人材採用・定着というテーマにおいては、「経営課題へのコミット度合い」「改革への当事者意識や本気度の確認」から「幹部人材採用への本気度」「他経営幹部とのコンセンサス有無」に至るまで、経営者に集中している確認事項が多いということが挙げられます。


二点目は、取引先とその事業に「本気で関心を持って臨む」ということです。具体的には、自分がその取引先の幹部となり事業への責任及び人材政策への責任を追っている立場になったつもりで、事業課題・解決策・人材要件について経営者と真剣に会話をするということです。
この姿勢で臨めるようになると自ずと熱意のある質問ができるようになります(営業店・本店に共通の効果です)。そして多くの悩みを抱えている経営者ほど、金融機関支援の本気度を即見抜いて評価しますし、これまで聞けることのなかった内情も含め多くの課題について共有をしていただけるようになります。
これまで融資を始めとする本業では飽くまで「企業の外部」から関わる立場だったのが所謂「企業の内部」で関わる立場で会話してもらえるところにシフトできる。この点一つをとっても金融機関における人材支援事業の価値は非常に大きいと考えられます。


三点目は、人材要件ヒアリングや課題整理の打合せの前に可能な限りでの準備をして臨むということです。具体的には行内で得られている情報(CRM情報、交渉記録etc)はもとより、ネットで検索できる情報(企業HP、業界業種ごとの外部環境/今後の展望/典型的な課題)も対象として情報収集するということが必要となります。
課題整理をスムーズに行えるよう討議資料を事前作成するのは効果的で理想的です。他方で支援先のおかれる状況・関係性によっては少しでも早く往訪して打合せし、人材ニーズのヒアリングと課題の整理を行いつつ経営者の本気度まで逸早く確認する事も非常に重要です。この方が結果的に支援先にとって現実的であったという場合も少なくありません。また(今後、同一の取引先への支援が他行や他人材紹介会社とも競合することが増えてくる意味では自行にとっても現実的な対応と言えます)。
これを重ねることでポイントを押さえて事前に諸々の情報を入手できるようになれば、討議資料の作成までいかずとも第一段階としての課題整理は十分に可能となります。こうすることで上記二点目の「金融機関としての熱意を伝える」ことにも改めて繋がることとなります。

※地方創生カレッジ 関連コンテンツ
「STEP2 経営課題の整理」
https://www.chihousousei-hiroba.jp/library/jinzai_202012/STEP2/01.pdf



【2. 課題整理の効果的な手法】

課題整理を効果的に行なう為にすべき事は何でしょうか?
上記に挙げた、取引先の「成長支援」と「関係構築」ということが「目的」であると常に念頭に置きつつ、自分自身が会社側の幹部になったつもりで本気で関心を持って経営者自身と直接会話することは勿論ですが、これに加え以下のポイントを押さえて課題整理を行なうと効果的な課題整理に繋がると思います。


・課題を全体的に幅広く棚卸しする
・「事業」「業務」「組織・人」課題を関連させる
・組織図を並べながら質問・討議する
・「組織・人」課題のヒアリングを重視する
・事実を多角的に確認する(現場を視察する)
・事実を多角的に確認する(経営者以外の幹部とも会話する)
・情報(知見・知識)を提供する


詳細については地方創生カレッジのコンテンツを参照ください。営業店・本店問わず効果的な課題整理に必須のポイントが記載されています。


※地方創生カレッジ 関連コンテンツ
「STEP2 経営課題の整理」
https://www.chihousousei-hiroba.jp/library/jinzai_202012/STEP2/02.pdf
https://www.chihousousei-hiroba.jp/library/jinzai_202012/STEP2/05.pdf



【3. 課題整理の効率的な手法】

取引先の性質・状況・関係性にもよりますが、「課題整理」「解決策の検討」「人材要件定義」の3プロセス を纏めて実施するスタイルを初回打合せから繰り返す事が効率的で現実的な進め方となります。


「課題整理」「解決策の検討」「人材要件定義」を纏めて討議する中で、「課題解決に見合う外部人材が実在 するか」「条件面が合う人材が実在するか」についても早期から随時確認を入れていきます。


併せて外部人材が 入社後に活躍・定着させるために必要な課題(環境を整える・組織を見直す・業務を可視化する・IT推進により業務を効率化する等)も関連して協議することが重要です。


※地方創生カレッジ 関連コンテンツ
「STEP2 経営課題の整理」
https://www.chihousousei-hiroba.jp/library/jinzai_202012/STEP2/03.pdf
https://www.chihousousei-hiroba.jp/library/jinzai_202012/STEP2/04.pdf