ハラコン2019年12月定例会
ハラコン/神奈川県・小田原市
神奈川県小田原市で開催される「ハラコン」は2019年2月にスタート、隔月で開催されています。小田原を含む西湘地域をもっと楽しくするためにアイデアを持ち寄る仲間づくりを目指して、自分でアイデアを出して、関わっていく「ジブンゴト」の精神で、カマコンにインスパイアされて、楽しみながら活動することをモットーにしています。
小田原エリアの地場の企業経営者、その企業の社員、行政の方など、地元の経済・暮らしにかかわるメンバーの参加も目立ち、毎回、和気あいあいと活気に溢れる活動を展開しています。
第6回となった2019年12月17日(火)の定例会の模様をレポートします。
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ハラコン定例会の会場は、小田原市街地で小田原駅から徒歩数分のカフェ「城町CAFE」です。
定例会から懇親会へ場所を移すことなく、そのまま実施したいという思いもあり、まちづくりにも積極的で、立地のいいカフェに協力していただいているとのこと。
「ハラコン」では運営チームのゆっくりと育てていきたい、という方針で、参加者が次回新しい人を連れてくることを推奨していて、毎回の参加人数はゆるい定員制、だいたい30人前後になっています。参加したメンバーが、自分の会社の同僚や先輩後輩、地元の仲間などを招くケースが多いのもハラコンの特徴です。 -
ハラコンの開催日は原則偶数月の第3火曜日。夜19時のスタートに向けて、参加メンバーが集まります。
カマコンから受け継がれた知恵で、参加者のネックストラップは、赤=初参加、緑=2回目以上(常連)、青=運営スタッフ、黒=プレゼンターと色分けされています。
ストラップの色を頼りに、常連メンバーや運営スタッフが、初参加の方に声をかけ、参加者同士の談笑も次第に活発に。最近は親子での参加者もいて、高校生・大学生もウェルカム。スタート前にすでに会場はリラックスした楽しいムードに包まれます。 -
19時になると、ハラコン定例会スタートです。
まず参加者全員を「ようこそ!」と歓迎した後、近くに座った人同士2〜3人で、短く自己紹介、今日参加したきっかけなどを短く会話し、会場の一体感をさらに盛り上げます。この際に初参加で取り残される人が出ないように、また顔見知り同士になってしまわないように、常連メンバーが気を配って適宜席を移るようにするなど、運営もすっかりこなれて、場づくりのコツが定着している様子が伺えました。 -
ハラコンは、参加規模も30人前後で一定に保っていることと、プレゼンターの人数も2組に絞っていることで、参加者全員が、2組のプレゼンターに対して応援のアイデア出しのブレストを行う形、すなわち、1組目のプレゼンを聞いてブレスト、その後2組目のプレゼンを聞いてブレスト、という流れが可能で、他地域にはない進行になっています。
そうした定例会の流れと、参加のしかた、ブレストのコツなどを紹介する10分間のオリエンテーションに続いて、いよいよ1組目のプレゼンター登場です。 -
1組目は小田原市役所経済部農政課の青木さんです。市役所の方の参加やプレゼンがしばしばあるのも、ハラコンの特徴です。今日のテーマは小田原のオリーブ。「みなさん、小田原産のオリーブ知ってますか?」という問いかけに、地元の参加者でも「??」という反応。それを受けて、小田原産オリーブの振興を図っていること、小田原はオリーブ栽培に適していること、オリーブオイルの奥の深さなど、ユーモアを交えて熱量たっぷりにプレゼンが進みます。テンポよく熱いプレゼンテーションに参加者は一様に引き込まれていました。
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続いて、プレゼンターへの質問タイム。ハラコンでは全員でそれぞれのプレゼンターをブレストで応援するため、ブレストグループに分かれる前に、質問タイムを取ります。時には5分のブレスト時間に迫るほど、質問がたくさん出ることも。
今回も、オリーブの活用方法や、小田原のオリーブの競争力など、具体的で鋭い質問がたくさん出ました。
そして、全員で1組目のブレストをやるため、近くの人6〜7人でグループを作り、輪になって座り、各ブレストチームに分かれ、いよいよブレストスタートです。 -
1組目のプレゼンター青木さんからのブレストのお題は「オリーブの魅力を知ってもらい、小田原オリーブがたくさん売れるようにしたい。そのためにどのようなオリーブイベントをやったら、多くの人に参加してもらえると思いますか?」
小田原の自慢ネタとオリーブオイルからの連想を掛け合わせたアイデアが、各グループでたくさん出ているようで、ありえないようなユニークなアイデアや、なるほどと唸るようなアイデアで、多くのチームで大きな笑い声が上がります。
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ブレスト時間は15分ほど。ブレストの残り時間があと2分と告げられ、各チームごとに発表するアイデア1つ選ぶのは、カマコンや各地域と同様です。
40〜50個以上のアイデアが出たチームもあるようで、アイデア選びは白熱、ブレストの余韻からさらにアイデアを乗せてしまうチームもあり、あちこちから笑い声と拍手が聞こえてきます。 -
そして、いよいよ各チームからのアイデア発表です。
発表されたアイデアは、次のようなユニークな発想のものばかりでした。
「小田原産オリーブオイルを大量に使って、ツルツルヌルヌル滑る運動会、題してスベリンピック」
「小田原名産コラボ。小田原産の鯵をオリーブオイル漬けにして名物を作る」
「小田原城公園で、全国オリーブオイルサミットをやる」
「流行りのタピオカに見せかけて、小田原産オリーブオイル漬け」 など。
そして、プレゼンターに各チームのアイデアのメモを贈呈、大喝采のうちに、1組目の時間は終わりです。 -
続いて2組目のプレゼンターは、様々な施設を運営するビジネスとともに、小田原のみならず西神奈川の2市10町を、自然やアウトドア、遊びを通じて楽しく活性化するNPOロックフィールドをやっている杉山さんです。
観光や外への情報発信も大切だけど、まずは自分たちが2市10町を楽しむことが大切なのでは? という呼びかけから、「となり町はいいところがいっぱいある素晴らしい町」「もったいない精神でシェアをして利用し合う」「行政は繋がっていなくても自然は繋がっている」と、2市10町は1つのフィールドだ!というプレゼンテーションには、大きな拍手がわき起こりました。 -
質問タイムの後、いよいよ2組目のブレストのスタートです。
ブレストテーマは、「この繋がる1つのフィールドの、遊び方、楽しみ方、感じ方、学び方、癒され方」。
すでに1組目でブレスト脳が活性化した参加者の皆さんからは、さらに活発にアイデアがいいテンポで出ています。
どんなぶっ飛んだアイデアでもOKというブレストルールに乗っかって、どのグループでもユニークなアイデアが出て爆笑が沸き起こっていました。 -
15分のブレストを経て、各チームからアイデアの発表です。「各市町の首長をドラフト会議でシャッフル」「年に一度花いちもんめをして、市町の土地を交換する」「各市町の精鋭部隊が難攻不落の小田原城を地下道を掘って攻めるが、地下道が繋がって絆が生まれて、地下で大ダンスイベント」「合同大運動会」「住民同士の住む場所交換」などのユニークなアイデアが。アイデア贈呈を受けたプレゼンター杉山さんから「一人で考えていて進まなかったのが、こんなに面白いアイデアが出て、どれもやってみたい!」と意欲が語られました。
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2組のブレストの後は、報告タイムです。これまでのプレゼンターからのプロジェクトの進捗報告が毎月活発に行われるのも、ハラコンの特徴です。
1人目は、前回、小田原市のSDGsの取り組みをプレゼンした小田原市役所加藤さんから、SDGsつながりポイント「まちのコイン」の実証実験がスタートすることのお知らせ。
2人目も前回のプレゼンターで、小田原少年少女合唱隊の皆さんから、その後早速アイデアを活かして集客・参加のイベントを開催できたという報告。 -
3人目は、ハラコンの若者版「Ormi」(Odawara Roukies Meeting)立ち上げの緊急告知。
さらに、小田原の「Ormi」が起点になって、カマコンをはじめ各地へも若者版を広げ、交流したい!という意欲も語られ、大きな喝采を浴びました。
自らもハラコンの運営メンバーの土井さんから、若いメンバーがまだまだ少ない、参加している各企業の偉い人は来ているが、各社の若手エースは何してる?なぜ来ない?という熱い気持ちが語られ、若者だけなら集まりやすいのでは?というアイデアから、若者ユニットの活動を立ち上げるプロジェクトが披露されました。 -
予定通り約1時間半の定例会が終わり、お楽しみの懇親会へ。参加者全員で協力して会場を模様替えし、まずは乾杯です。
そして、ハラコン懇親会の最近のお楽しみは、以前に小田原・足柄エリアの狩猟とジビエについて熱いプレゼンをした石崎さんが仕入れてくれた新鮮なジビエを、城町カフェのシェフが腕をふるった特別メニューです。
ハラコンでのプレゼンが、現実を動かし、つながりを生み、みんなでその成果を体感できる、これもハラコンの大きな特徴と言えるでしょう。
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プレゼンターから一言
もっとワイワイ楽しいだけの場なのかと想像していましたが、みなさんが真剣に自分の話を聞いてくれたことに、まず感激しました。本当に熱心で真剣で、さらに楽しい場なんだな!と思いました。
自分だけで考えていると、どうしても仕事柄アウトドアっぽくオシャレなカッコつける方向で考えてしまうのですが、みなさんのアイデアは、様々なストーリーとかユニークな仕掛けにあふれていて、どれも実現したいです。
NPOのメンバーだけでなく、その周りに楽しい仲間を作って活動していきたいと思っているので、今日アイデアをいただいた皆さんも巻き込んで、施設を作ることやイベントを実現することを進めていきたいです!
NPOロック・フィールド
杉山 大輔 さん