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シマコン第1回定例会
シマコン/高知県・四万十町

2019年12月1日(日)に立ち上がった「シマコン」。9月にカマコンを体験した若いメンバーの熱意で、早くもその3ヶ月後に第1回が開催されました。四万十町だけでなく周辺地域からの参加者も含め、50人以上が四国八十八箇所の霊場の一つ岩本寺に集まり、熱い初回のプレゼンテーションとブレストが繰り広げられました。

  • シマコン会場岩本寺

    「シマコン」第1回の会場は、四国八十八箇所の霊場一つである岩本寺。由緒あるお寺でありながら、天井絵を地域のみんなで描くなどの、地域の人たちにお寺を開いていく数々の取り組みをされているお寺が、快く会場を提供してくださいました。

  • シマコンの準備

    今回は初回の立ち上げということで、鎌倉からカマコンメンバー6人が応援に駆けつけました。シマコンの立ち上げメンバーとともに、会場の設営、進行のチェック、上映するスライドの修正などを進めます。
    本番スタート2時間前の15時には、本日の3組のプレゼンターも集合、プレゼンテーションの練習と最後のブラッシュアップを行います。 この本番前の時間で一番大切なのは、運営メンバーとプレゼンターが一つのチームになることです。プレゼンターは競い合うのではなく、この街にいいことを起こしたい同士として互いに応援し合う、というチームビルディングも行います。

  • シマコン受付中

    16時半には準備が万端整い、受付がオープン。日曜夕方ですが、続々と参加者が集まります。初回ということで、「よく来てくれました!」と運営メンバーが参加者と握手する場面もあり、また町内の顔見知りの人たちも多く、和気藹々と寄り合いのような雰囲気で場がどんどん温まります。
    参加者は受付で、今日この場で呼ばれたいニックネームをカードに書いて、カードフォルダに入れ首から下げて席に着きます。
    隣接する須崎市など町外からの参加も含めて、高校生からシニアまで約50人の参加者で会場はぎっしり満席となりました。

  • shimacon_report04.jpg

    17時になり、「シマコン」立上げの中心メンバーの吉岡亜紀さんと、カマコンメンバー 敏蔭啓史さんの二人の進行で、記念すべき「シマコン」第1回がスタートしました!
    会場全体をウェルカムした後、まず吉岡さんから、9月にカマコンに参加して絶対四万十でやりたいと思い、懇親会の場でカマコンメンバーと12月の約束をしたこと、本当に素晴らしいスピードでこの場が実現したことへの感謝が語られ、
    そして、シマコンにかける想いとして、①チャレンジできる場づくり、②開かれた街づくりの場、③ジブンゴトで関わることの楽しさ を根付かせたい、という意図が説明されました。

  • シマコン 柳澤大輔氏講演

    今回はシマコン立上げということで、カマコン創設者の一人で面白法人カヤック代表の柳澤大輔さんの講演が特別に行われました。カヤックが追求している「つくる人をふやす」というビジョン、そのために長年培ってきたブレスト文化を地域のまちづくりにも活用できないか?という意図からのカマコン立上げの経緯、さらにまちづくりにコミットする中から編み出された「地域資本主義」というコンセプトと今後の展開について語られました。
    カマコン型地域活動がまちづくりに役立つ一番のポイントは、いざという時にひとつにまとまれる関係性を育み続ける場という役割だろう、という話が印象的でした。

  • プレゼンスタート

    講演の後は、いよいよシマコン第1回のプレゼンター3人の登場です。
    「プレゼンターを全部ジブンゴトの姿勢で迎えるには、それにふさわしい場にしましょう!」という進行役の声がけで、それまで整然と並んで座っていた参加者全員が、ぐっと前へ移動、ぎゅっと詰まった体制で、プレゼンターに全力応援のエネルギーを送る場が整いました。
    プレゼンターは最前列でやや緊張した面持ちで出番を待ちます。

  • シマコンプレゼンター1

    トップバッターは、しまんと町社会福祉協議会の尾﨑弘明さん。プレゼンのタイトルにかけて、ハッピ姿に練り時ハチマキ姿で登場して、早速笑いをとってツカミも完璧です。社会福祉センター「風らっと(ふらっと)」が、一時は様々な企画やイベントが活発に行われていて賑わっていたが、最近は企画も手が回らず、訪れる人も減少しているという課題をプレゼン。お風呂もあり、集い楽しめるスペースもあるせっかくの施設を、再び地域の人が楽しく集い、交流から新しいことが生まれる場所として蘇らせたい、という願いをアピール、施設の間取り図も交えた楽しいプレゼンにたくさんお笑いが起こります。ブレストテーマは「風らっとにふらっと来たくなってしまうアイデア募集!」。

  • シマコンプレゼンター2

    2人目は土佐打刃物 黒鳥鍛造工場を営む梶原弘資さん。明治初頭から130年続く老舗は今や高知県で一番古い鍛冶屋であり、その伝統を受け継いだ丁寧な手仕事で、長く使ってもらえる刃物を提供することにこだわりを持って、あえて対面での刃物の製造・販売・修理を行っています。土佐刃物の伝統と、道具を愛し長く使う文化を絶やさない!という使命感に燃えている梶原さんが今直面している課題は、1人でできることの限界。地元の人に使ってもらう「地産地商」、外からもわざわざ来てもらえる「地産外商」の両立をめざす梶原さんの、町ぐるみでその志を実現していきたい、という思いから、ブレストのテーマは「鍛冶屋 黒鳥を通じて町のみんながハッピーになるアイデアが欲しい!」です。

  • プレゼンター3

    3組目は、シマコン立ち上げの運営メンバーでもあり、まちづくり活動の仲間でもある、中野未歩さん、佐々木啓人さん、竹村俊斗さんの3人組。地域おこし協力隊や町役場職員の三人組から野外シネマプロジェクト、題して「SHIMA+(シマプラ)」についてのプレゼンです。
    自然も人も豊かなこの町もいつかなくなるかもしれない、という切実な気持ちから、大切な思い出をこの地域で作るために、四万十ならではの野外シネマを実現したい!という企画を、印象的な映像も交えてプレゼンテーション。美しい映像と思い溢れるプレゼンに、会場のあちこちでため息と深いうなづきが見られました。ブレストテーマは「あなたの想い出に残る野外映画祭のアイデア」です。

  • シマコンブレストグループ分け

    3組のプレゼンが終わると、いよいよブレストタイムです。
    参加者は、3組のうちどのプレゼンターをブレストで応援するか、それぞれ選んで、3つのグループに分かれて、円形に座ります。
    ここで、カマコンからの応援メンバーがカマコン型プレストについてのガイドを行います。
    高速にアイデアを出すうちにどんどん楽しくなりジブンゴトになっていく、カマコン式ブレストのルールとコツを実演を交えて説明します。数が目標なので、質より量、荒唐無稽なアイデアも躊躇なく出してOK、他人と違うことを言おうとせず他人のアイデアに乗っかればOK、アイデアが出ないときは、いいね!と頷くだけで応援になる、というコツを伝授します。

  • シマコンブレストグループ分け

    ブレストガイドの後は、ブレスト中に質問が出て、たくさんのアイデアを出す流れを中断しないように、あらかじめプレゼンターに聞きたいことを質問する質問タイム。
    プレゼンを聞いて気になったこと、実現のための制約があるのか? あるならどんな制約か? など、それぞれのグループで活発に質問が投げかけられます。
    3分の質問タイムが終わると、ブレストに適した7〜8人の輪に分かれて、いよいよブレストスタートです!
    輪の中で1人、アイデアのメモ役を決めて、ポンポンと出るアイデアをどんどんメモしていきます。それ無理じゃないの?と思うようなアイデアに大きな笑いが起こり、皆さんの普段の常識の歯止めが外れ始めると、ブレストのテンポはどんどん加速します。

  • シマコンブレスト

    ブレストの最後は、各グループごとに、一押しのアイデアを一つ選ぶ時間です。メモされたアイデアの数を数え、その中から、全体に発表するアイデアを一つ選びます。
    全部面白い、全部発表したい、と口々に話しながら、一つに絞っていくのは、自分たちのブレストの成果を噛みしめる楽しい時間でもあります。
    これとこれと組み合わせたら? それならこれは? といったアイデアがさらに出てしまうのは、皆さんが短時間でブレスト脳になった証拠でもあります。
    各グループの喧々諤々のディスカッションを経て、ブレストで出たアイデアの数と、一押しのアイデアを1つずつ発表します。

  • ブレストアイデア発表

    1組目「風らっとにふらっと来たくなってしまうアイデア募集!」のテーマの1グループ目は、アイデア数42、発表したアイデアは「建物をライトアップしてイルミネーションでみんなが来たくなる」、2グループ目はアイデア数70、発表したアイデアは「お風呂からライブ配信をする」でした。2組目「鍛冶屋 黒鳥を通じて町のみんながハッピーになるアイデアが欲しい!」のテーマは、アイデアが30個、発表アイデアは「成人式の記念品として包丁を贈呈する」でした。3組目「あなたの想い出に残る野外映画祭のアイデア」の1グループ目はアイデア数39個、発表アイデアは「縁結びのパワースポットで縁結び映画祭を開催する」、2グループ目はアイデア数39個、発表したアイデアは「四万十の自然の美しいスポットを巡回する移動式映画祭」でした。

  • シマコン次の一歩のまとめ

    シマコン立上げ第1回ということで、ブレスト初体験の参加者も多かったにも関わらず、各グループのアイデアの数は30個から70越えまでと、たくさんのアイデアが出て成果は上々でした。
    続いて、各プレゼンターの次の一歩を応援に参加者がコミットする時間です。
    カマコンで「まとめ職人」と呼ばれ、次の一歩をうまくまとめ上げる達人、柳澤さんが各プレゼンターを応援する次の一歩のプランを作り出していきます。
    1組目の次の一歩は、風らっと自体を知らない人が多いということから、まずは現地を体験してからということで、「みんなで風らっとに行ってみる!」。この次の一歩に参加する方を募ったところ、会場からは10数人の手が上がりました。

  • シマコン次の一歩への手上げ

    2組目の次の一歩は、成人式の記念品にするには、行政との調整などすぐには実現しないハードルがありそうなので、黒鳥の梶原さんを応援する結束力をさらに強くするために、まずは「黒鳥の見学ツアーを開催する」となり、このプランに会場から約20人の希望者が手を挙げました。
    3組目の次の一歩は、どちらも素晴らしいアイデアだが、実際に野外映画祭をやるには、ノウハウも準備も機材も全てこれから、という状況だということで、「小規模でいいので一回屋外で映画を上映してみる」というプランとなりました。この次の一歩に参加する人を募ると、約30人の希望者の手が挙がりました。
    たくさんのアイデアで応援する気持ちが高まり、次の一歩が具体的になったところで、プレゼンターへの応援とブレストを共に楽しんだ仲間への惜しみない拍手が湧き起こります。

  • ブレストアイデア贈呈式

    ブレストの締めくくりは、ブレストの成果であるアイデアのメモをそれぞれのプレゼンターに手渡す贈呈式です。
    もう一度、ブレストでたくさんのアイデアを出した自分たちへの承認と、プレゼンターへの応援の気持ちを込めた、温かい拍手に会場全体が包まれました。
    そのあとは、参加者同士、近くに座っている人3〜4人で、今日のシマコン初体験の感想を話すチェックアウト(場の締めくくり)の時間です。
    ブレストの熱気が残る中、知り合い同士も、そうでない人同士も、賑やかに今日の感想を語り合い、今日の体験を自分の中に落とし込んで、締めくくりです。



  • シマコン結びの言葉

    最後は、このシマコン第1回立上げの運営メンバーである、吉岡さん、中野さん、佐々木さん、竹村さんから、素晴らしい場となったことへの感謝の挨拶です。

    そして、「シマコン、続けていきますか?」という問いかけに大きな拍手が起こったところで、シマコンの第2回以降をこれからを一緒に作っていくメンバーを募集、会場から8人の手が挙がり、パワーアップした運営チームが、この瞬間に立ち上がりました。


  • プレゼンター尾崎さん
    <ブレストを終えて〜プレゼンターからのコメント>
    尾崎弘明さん(写真)
    「プレゼンは初めてでドキドキしましたが、たくさんの方からアイデアをいただいて、本当に良かったと思います。ありがとうございました。」

    梶原弘資さん
    「自分が言ったことに対して、たくさんの人から反応が返ってくる、というのが新鮮で、とてもやりがいを感じました。素晴らしい体験でした。」

    竹村俊斗さんさん
    「同世代の若者は同級生など決まったグループで固まっていて幅広い交流は少ないので、そういう場を作りたいという思いでシマコン立上げに加わりました。映画祭も3人だけではなかなか進まないので、今日の場のおかげで実現がイメージできて良かったです。」

運営メンバーから一言

9月にカマコンを体験して、どうしても四万十町でやってみたい、やったらどうなるだろう?!という思いにかられて、懇親会の場で、もうやりますと宣言して、カマコンの皆さんにサポートをお願いしてしまったのが始まりです。
四万十に帰ってすぐに仲間に声をかけ、たくさんの方々にお知らせとお願いをして、立ち上げることができて、感無量です。
まちづくりの活動なのに、今までのイメージと違って、ゲーム性、エンタメ性があって、誰でも参加できる、オープンで気軽に入れるところが、本当に面白いと思っています。
これからどんどん四万十の人たちを巻き込んで、シマコンを続けていきたいと思っています。

吉岡さん

吉岡 亜紀 さん