2022/1/31配信メールマガジンアーカイブ
【Vol.20】地域金融機関が「人材紹介業務」を成功させる秘訣とは?「第1回 金融機関しゃべり場トークLIVEの内容ご報告」
第19回に続き、地域金融機関における人材紹介業務を成功させる秘訣についてお送りいたします。
前回のテーマは「ケーススタディ-地域企業ならではの経営課題事例(その1)」でした。
今回のテーマは「第1回 金融機関しゃべり場トークLIVEの内容ご報告(その1)」です。
(当メルマガのテーマは、皆様からの御意見・御質問をもとに作成しております)
https://www.chihousousei-hiroba.jp/recruitment/recruitment_NEW_inquiry.html
今回は、去る11/25(木)に実施されました第1回 金融機関しゃべり場トークLIVEの内容を共有させていただきます。
初回ながら12行からの御参加をいただき活発な情報交換やQ&Aが行われました。
各行の取組状況を紹介し合い共通のテーマとなったのは「両手型の人材紹介業務に関する取組状況や課題」についてでした。
以下、話題にあがった具体的な内容を御紹介していきます。
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1. 参加行における人材紹介業務への取組状況
2. 「両手型」に関する取組状況や課題(その1)
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【1. 参加行における人材紹介業務への取組状況】
参加いただいた金融機関から直接御紹介あった取組み体制や個別の特徴について御紹介していきます。
・2018年より金融機関本体とは別にコンサルティング会社を立ち上げ、外部から民間での人材紹介の経験者を採用し、
すでに専担者7名、人材サーチ専門の担当も1名おり、両手型で年間数十件の成約を上げている。
・2020年より別個でコンサルティング会社を立ち上げて取り組んでいるが現在は片手型、コンサルティングや
BMと組み合わせながらトータルでの黒字化に取り組んでいる。
民間の人材紹介会社と密に連携しながらこれまで7件の幹部人材成約の実績。
人材紹介事業は目的自体となる場合もあれば手段となる場合もあると考えている。
・本体で人材紹介業務に従事し銀行員4人で構成している(3名が営業)。
両手型については現在当行のOB人材を紹介するところに特化し、常勤人材で7名の成約実績。
片手型はBMで20件ぐらいの成約実績。
・免許取り立て、現在片手型で業務開始したばかりで成約実績もなしも、将来的には両手型にも取り組む予定。
・銀行本体で実施、事業年数は1年程度、当初は専担者2名でスタート、今年8月から専担者3名体制、実績はトータルで13件(正社員・副業兼業含む)。
事業性評価はじめきちんと経営課題の整理を行うところから求人企業へ伴走し、コンサルティングも交えながら支援をしている。
・2020年後半に開始。片手型で専担者1名、兼任者5名、取り扱い件数は10件程度。両手型への参入における課題を収集している。
・2020年当初より専担者1名、アルバイト1名でスタート。今年の7月から両手型も開始し、現在は6人体制に増強。
片手型は2、3月だけで200件ぐらいの案件が上がったものが、5、6、7月で20件ほど決まってきている。
両手型は開始し12件の求人を扱っているが未だ成約実績はない。役割分担が明確化できていないのが課題。
・2021年に免許取得したばかり、主に片手型で兼任者2名、3ヶ月で70件の相談を受けているが未だ成約実績はない。
来年以降両手型の着手したく課題の整理中。
・2020年後半より開始、当初専担者2名、今年後半に2名増員し、現在専担者4名(両手型の担当者2名)でやっている。
実績としては経営人材、副業人材含めて10件程度。現在は全員が片手型(求人企業との課題整理はじめ上流工程)のスキルをあげている。
・銀行本体での取り組みで2020年に免許取得し、片手型で1年ほど取り組んできた。
今年後半から両手型着手、専担者3名、企画統括の兼任者1名、事務の兼任者1名に体制強化も両手型の成約はまだなし(今期に入ってからの片手型は6件)
・2019年当初に免許取得、OB人材活用中心に数ヶ月取り組んだあとストップしていたものの、昨年先導的人材マッチングに申請して再スタート。
以来、今期実績は常勤4名、副業3名。専担者は一名のみで、両手型は検討中。
【2. 「両手型」に関する取組状況や課題】
○両手型の体制強化へのプロセスや考え方
・先行投資型で成功したケースの紹介:2018年当初は人材紹介経験者1名、銀行本体からの担当1名で実務者として2名、マネージャー1名で立ち上げた。
案件数も最初から積み重ねる、その後すぐに銀行出向2名追加して扱える案件数を増やしつつ事務作業も増えたので専担でのリサーチャーも中途1名採用、
さらに中途の人材経験者を1名採用した。さらにその後コンサルティングの専門家も入れて段階的に増員してきた。
本店からの出向者にはOJTで教育していったが、優秀な人材をアサインしてもらったことで飲み込みも早く活躍するのが早かった。
・2020年初頭に両手型で立ち上げたが、人材紹介会社へ出向の出向も人材紹介の経験者の採用もせず、銀行員のみで業務を開始した。
その分苦労はしてきたが2年弱経過した中でようやく独り立ちしたと思っている。
今3名専担者がいるが、それぞれ独自で積み上げてきてまだナレッジやスキルも足りないながらキャリアコンサルタントの資格も取得するなど努力している。
(金融機関なので)取引先の立場での仕事をしがちなところから転職者側のキャリアを考える立場にたった支援をしていくところにも志向が芽生えてきたのは進歩。
現在は双方をみながら仕事をしていくというのが大事と捉えて実務をとっている。
○両手型の業務フローと役割分担
(Question)
・両手型に着手したばかりだが、同時での案件数(訪問数)が増えてくる中、求人企業と求職者を分けた方がいいのか悩んでいる。
他行でどうしているか知りたい。
(Comment)
最初は分けずに一気通貫でやるのがいい。自分で面談した人じゃないと企業に自信を持って推薦できないので。
もちろん案件ボリュームが増えてくれば分業するのもありだが、まずは人材サーチの部分だけ分業にするのが現実的。
一方で、人材サイドからの長期的視点にたった支援も大事で、一度ある案件で求職者として面識を持った人材で転職活動を続けている候補者がいれば、
リサーチャーの方で個別対応し、求職の要件や条件をヒアリングしていき、他の企業へ提案していくことも考えて良いと思う。
○セカンドマッチングについて
(Comment1)
・銀行なのでまずは取引先の求人企業を向いた仕事になりがちだが、いい候補者がいたらピックアップしておき、セカンドマッチング的な活用をする考え方は大事。
(企業サイドからの案件創出と、候補者サイドからの働きかけ”取引先の求人企業へ紹介していくという”両方からすすめる形となっている)
(Comment2)
⇒ 同感、非常に重要な考え方と思う。当行は片手型でやっているが、提携の人材紹介会社へエスカレーションした後のプロセスも同行・同席する形
(結局両手型に近い方式になっている)。結果的に求職者で企業と縁がなかった人についてセカンマッチングもやったほうがいいことに気づいた。
いかがでしたでしょうか? 各金融機関とも様々な取り組み状況にありますが、全体的な方向性として伺えるのは、
両手型の人材紹介業務に向け体制を強化し始めた金融機関が確実に増えていること、一方で多くが事業確立や収益化に向けて試行錯誤している最中であることであり、
こういった地域金融機関同士のコミュニケーションの場の重要性・必要性を改めて感じる機会となりました。
次回も今回の金融機関しゃべり場トークLIVEの続編をお送りさせていただく予定です。