2021/11/16配信メールマガジンアーカイブ
【Vol.17】現実的な解決策の検討(その3)
第16回に続き、地域金融機関における人材紹介業務を成功させる秘訣についてお送りいたします。
前回のテーマは「現実的な解決策の検討(その2)」でした。
今回のテーマは「現実的な解決策の検討(その3)」についてです。
(当メルマガのテーマは、皆様からの御意見・御質問をもとに作成しております)
https://www.chihousousei-hiroba.jp/recruitment/recruitment_NEW_inquiry.html
前回のテーマについて反響が寄せられたため、解決策の検討についての続編をお送りさせていただきます。
以下2つのポイントに沿ってお伝えしていきます。
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1. 解決策の提案のスキル(知見や技量)を向上させる方法を考える
2. 解決策を具体的に提案できる体制を考える
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【1. 解決策の提案のスキル(知見や技量)を向上させる方法を考える】
課題整理のスキル向上同様、解決策提案のスキルについても積極的な関心と姿勢をもって、日々地道な積み重ねによって確実に向上します。
これまでの本業における知識や知見だけでは、事業課題やそれに関連する業務課題、人組織課題への解決策を提案するのは確かに難しいでしょう。
ただ、日頃取引先へ通い経営者との会話により、各種課題に生々しく直面する中で、その都度自ら解決策の検討を追求することは可能かと思います。
人材紹介会社に直接相談したり、ネットでの解決事例探索、ひいては人材紹介以外の解決方法が適切と判断した場合はグループ内のコンサルティング部隊へ相談したりと、持てる環境の限りでも活用できるチャネルは複数あるはずです。
・解決事例は業界業種ごとの課題ごとに整理しながらキャッチアップしていく
・専用のセミナーは確実に利用する(先導人材マッチングのセミナーetc)
・情報収集できるネットワークを多角的に広げる
・案件への同行を通して人材紹介会社にレクチャを受ける
・成約したあとに成功要因を人材会社にヒアリングする
・入社後のモニタリングやフォローアップを丁寧に行う中で解決状況や新たな課題を知る
・一度得られた解決策のパターンやノウハウは次の取引先での支援にも再利用し、さらに最適化していく
・上記の活動を通して得た知見やノウハウは、勉強会を開催して営業店にも徹底共有する。
こうして貪欲に都度工夫しながら具体的な知見を自ら手に入れつつ、それをもって取引先への更なる問いかけや課題を深堀り・分解したりということを繰り返せば、事業課題、業務課題、人組織課題いずれに対しても解決策の具体性と妥当性が確実に向上していきますし、最終的に取引先からの信頼の幅が拡がり様々なことを具体的に相談されるようになります。
特に事業、業務、人組織いずれの課題についても一般的な解決事例を多く押さえていることが大変な強みとなっていきます。
取引先と課題整理をする際も解決策検討をする際も、事例を交えた会話であれば経営者もとたんに身を乗り出して具体的な解決方法に関心を持ち、話が進むことは多々あります。
具体的な解決方法の習得に関しては、何某かのソリューション導入やプロジェクト事例がネット上にも沢山出ていますので求められれば幾らでもキャッチアップできます。
そして、その知見を先に得た上で、人材紹介会社やグループ内のコンサル部隊、各ソリューションパートナーに相談することで、より解像度のある具体的な解決策が検討できることとなります。
なお人材紹介による解決事例として、プロフェッショナル人材戦略拠点のサイトにも数十ではきかない過去のケーススタディ集があります。
業界・業種ごとの課題や解決事例にも必ず傾向があります。
ある程度パターンを習得した上で複数の同類案件において再利用していけるようになりますし、重ねることに各取引先に対して現実的かつ効果的な提案ができるようになります。
なお片手型を採用している金融機関は、本店側の人材紹介担当者は余力の許す限り提携の人材紹介会社に帯同し、人材要件や課題整理のヒアリングの場に同席するとさらにスキルが向上します。
求人企業との打合せ後も徹底して課題・解決策・人材要件について人材紹介会社と議論をすることが大事であり、これを実践している地域金融機関が実在します。
結果、案件数は年間数十もいきませんが成約率が非常に高い結果となり、提携の人材紹介会社の社員向けセミナーに講師側として招待されるようなレベルにまで至っているところもあります。
繰り返しになりますが、大切なのは当事者意識と関心・興味を強く持って、これらを一つひとつ実際に取り組めるかどうかです。
本店の人材紹介担当者も営業店側の担当者も時間が中々とれず、意外とこの基本的な積み重ねをされないまま、課題の深堀りや解決策の検討が具体的にできず悩まれている方も多いように見受けられます。
当事者意識や関心・興味の度合いが上がれば自ずと手がでていきます。人材紹介のソリューション提供だけでもない、幅広いコンサルスキルが身につきますのでその意味でも更に関心を持っていただくことが重要です。
最終的には、こうした具体的で積極的な取り組みを重ねることが両手型へシフトするための非常に重要で効果的な布石にもなっていきます。
【2. 解決策を具体的に提案できる体制を考える】
人材紹介事業単体で短期で成果を上げられている金融機関は中々ありません。限られた体制で一つひとつ積み上げる長期的な計画で事業を進めていく必要があります。
その前提でいきますと、あらためて「取引先への人材支援」として広く捉え、正社員紹介・副業プロ人材のみならず、有償コンサル(自行・外部)、ビジネスマッチングといった形で、
人材紹介だけに限らないトータライズな「人材支援」の体制を段階的に作っていくことも非常に現実的で効果的な方法といえます。この形での取り組みについても既に多くの地域金融機関で始まっている現状です。
お互いに気軽に問い合わせられる・質問できる・案件連携できる、それによって解決策の最適化ができるというだけでなく、本質的な目的である取引先の真の成長支援や関係構築、ひいては「人材支援」の収益性の向上や持続成長可能な事業構築にもつながる、こういった考え方が重要といえます。
ゆくゆくは事業課題や事業承継/IPO/M&Aの支援はもとより、足元の課題となる業務改善や制度設計等の支援について相談先を内外に作っていき、取引先より「何でも相談できる相手」と認識されることが理想的です。
グループ内の部隊はもとより、日頃から連携している外部コンサル会社やパートナーへ気軽に相談したり、課題整理や解決策の検討段階で一緒に客先往訪できる関係性を組織的に、段階的にでも構築していくことが必要といえます。